2015.04.16

F1に乗れない小林可夢偉の2015年。「今、やりたいことがある」

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

小林可夢偉インタビュー 前編

 12年ぶりの国内レース復帰。17歳でヨーロッパに出て以来ずっと海外を拠点にレースをしてきた小林可夢偉にとって、2015年はさまざまな葛藤の中で迎えるシーズンになった。 

 昨シーズンは、ケータハムから参戦し、苦労の連続だった。マシン性能の問題以外にも、資金の問題など、可夢偉の前には多くの課題が山積。そんな苦しい状況でも、F1に残る道を探し続けた。しかし、次の道は見つからなかった。

2015年のF1シートを獲得できなかったが、新たな目標を掲げた小林可夢偉 今でもF1をあきらめたくないという気持ちはある。「F1でやり残したことがある」という気持ちが強いことは否定できない。しかし、実際にはシート獲得のチャンスが皆無に等しいという現実も受け入れなければならなかった。

「現実的に考えれば、2015年のF1のシートはリザーブも含めてもう残されていないし、F1には今すぐ戻れるわけじゃない。お金のない状態で交渉に行っても相手にされないし、現状では復帰は厳しい。でも、F1をあきらめるとかあきらめないという話ではなくて、単純にチャンスがあれば乗りたいし、チャンスが巡って来たらつかめるように、常にしっかりと準備をしておくしかないかなと思っています」

 F1への思いをそう割り切って、スーパーフォーミュラ(SF※)に参戦することを決めたのは、F1に乗れないのなら、日本国内のモータースポーツを盛り上げるためにひと役買いたいという思いがあるからだ。

※全日本選手権スーパーフォーミュラ。フォーミュラ・ニッポンを引き継ぐ形で2013年にスタート。日本国内最上位の自動車レースカテゴリー。昨年の王者である中島一貴ら元F1ドライバーも参戦中。

「日本のモータースポーツ界のために、力を尽くしたいと思っています。レースで結果を残すのは当たり前ですけど、モータースポーツの盛り上げに貢献できれば、それは意味があることだと思う」