【MotoGP】36歳・ロッシが語り尽くした
「この先何年も走り続けたい」 (2ページ目)
ロッシの話すとおり、カタールのナイトテストは、3日目こそ雨でキャンセルになったものの、2日目までのラップタイムを見ると1秒以内に14選手がひしめいている。それだけに、上記のロッシの言葉にある「マシンの改善」は重要な要素になりそうだ。
今年のヤマハは、2月のセパンテスト2回目から〈シームレスギアボックス〉を投入している。〈シームレスギアボックス〉とは、各ギア間の変速をスムーズにすることで、シフトチェンジの際に生じる機械的な挙動を抑える機構だ。ホンダは2011年からこの仕組みを採用している。ヤマハも独自技術でこの開発を進めてきたが、昨年まではアップシフトのみのシームレス化にとどまっていた。このプレシーズンテストで、ようやくダウンシフト側もシームレス化することに成功した。
昨シーズン、ロッシは総合2位。今年はそれを上回る結果を狙う ヤマハYZR-M1プロジェクトリーダーの津谷晃司によれば、ギアボックスをシームレス化しても、実は一周あたりのラップタイムには大きな改善は見られないのだという。では、なぜシームレスギアボックスをわざわざ導入するのかというと、「バイクの挙動が安定することにより、ライダーがミスをする可能性を低減させることができます。そしてそれをレース周回全体で考えてみると、何らかのかたちで総レースタイムの短縮に寄与することができる、というわけです」(津谷)という。
ロッシも、津谷とまったく同じことを指摘している。
「シームレスギアは間違いなく、大きな助けになるよ。ブレーキングも、いままでよりも容易になったしね。シームレスが入ったことで、とくに何かが大きく有利になるわけじゃないんだ。でも、ネガティブな要素を潰しこめるのは大きなことなんだ。小さな不安要素がなくなっていくことの利便性は、とても大きなものだよ」
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