2015.04.01

【MotoGP】最強の36歳。
開幕戦勝利のロッシが40歳まで現役宣言

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 史上最強最速の36歳である。

 グランプリ生活20年目を迎えるバレンティーノ・ロッシ(モビスター・ヤマハ MotoGP)が、2015年開幕戦のカタールGPで優勝を飾った。しかも、その勝ちっぷりが、20代の全盛期に劣らない圧巻の走りだった。

開幕戦のカタールGPで優勝したバレンティーノ・ロッシ 予選のタイムアタックでは満足のいくラップを刻めずに、三列目8番グリッドという低位置を強いられたものの、日曜午後9時に全22周回で争われた決勝レースでは、序盤で着々とトップグループに追いつくと、ラスト数周はアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ・チーム)を相手に真っ向勝負のバトルを繰り広げた。

 最終ラップは、トップスピードで優るドゥカティのドヴィツィオーゾがメインストレートの圧倒的な伸びを利して、1コーナーへわずかに早く突っこんでいった。しかし、立ち上がりで微妙にはらんでしまったところをロッシが制し、前を守りきった。以後のコーナーでも、食らいつくドヴィツィオーゾを抑えきって最終コーナーを先に立ち上がり、0.174秒早くチェッカーフラッグを受けた。

「自分自身のレース人生で、間違いなくベストレースのひとつ」と振り返るロッシは、「正直なところ、ラストラップの展開は、何度か転びそうになったことくらいしか憶えていないんだ」と話すほどで、これぞまさにオートバイレースの醍醐味、というほど白熱し、緊迫した攻防だった。

「ドゥカティ時代のカピロッシと戦ったムジェロ(イタリアGP:2003年)やセパン(マレーシアGP:2006年)、モンメロでのホルヘとの戦い(カタルーニャGP:2009年)に匹敵するバトルだったよ。全部、昔の話だけどね」