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【F1】強さは本物。ウイリアムズ、連続表彰台の要因とは (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 スメドリーは就任当初、そう語っていた。名門フェラーリで長年過してきた経験を生かし、チーム改革の指揮官となったのだ。

「僕がオーストラリアGPとマレーシアGPを外から見ていて思ったのは、『ああ、ウチはダウンフォースもドラッグ(空気抵抗)も足りていないな』ということだった。このマシンはダウンフォース不足であるがゆえに、リアタイヤのデグラデーション(性能低下)の問題を抱えていた。空気抵抗が少ないから最高速は伸びるけど、そのせいで被るダウンフォース不足の不利は容認できるレベルではなかった」

 第3戦、4月のバーレーンGPからチームに合流し、第4戦の中国GPから実務にも参加し始めたスメドリーは、ここからチーム改革に乗り出した。

「バーレーンGPまでの連戦を終えてイギリスへ戻ってから、我々は自分たちがどこを改善すべきかをしっかりと見つめ直し、チームのみんなからも良いリアクションを得た。ウイリアムズのファクトリーにやって来て見れば、空力部門だってメカニカル部門だって、その設備は素晴らしいことが分かる。あとはすべてをうまく機能させ、正しい方向へ導くだけで良かったんだ」

 コース特性が合わないスペインGP、モナコGPでは苦戦を強いられ、カナダGPでは速さを見せながらも戦略上の拙さもあって、ウイリアムズはチャンスを失った。しかし、その次のオーストリアGPからは急浮上を見せた。

 それは、予想よりも早い進歩だとスメドリーは語る。

「このチームに加わったときから、ここにあるリソースとポテンシャルは分かっていたんだ。しかし、こんなに早く結果に結びつくとは思っていなかった。はっきり言って、想定していたよりも6カ月、いや9カ月くらいは早く物事が進んでいる」

 次のハンガリーGPはまた曲がりくねったサーキットで、ウイリアムズにとっては厳しい戦いが予想される。だからこそ、チームが本当の意味でどれだけ成長したのかを示す試金石になる。ハンガロリンクでも速さを見せることができれば、ウイリアムズの強さはもう“本物”だ。

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