2014.07.17

【F1】オーナー交代。可夢偉のシートはどうなる?

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 イギリスGPが開催される週の木曜(7月3日)午後、トップチームのそれと比べれば決して広いとは言えないケータハムのモーターホームは、あっという間に世界中のジャーナリストで溢れんばかりの状態になった。

 わずか2日前に発表されたばかりの新たなチームオーナーやCEOの姿はまだ見えない。トニー・フェルナンデスが手放したこのチームの状況が今どうなっているのか、なんとかしてそれを聞き出そうと、ジャーナリストたちは小林可夢偉を取り囲んだ。

チームのオーナーが代わり、シートの行方が気になる小林可夢偉 彼らの関心のひとつは、多くの資金を持ち込んでいない可夢偉が、今後もこのレースシートを維持できるのか、それともチームを追われることになってしまうのかという点だった。

「僕はまだ生きてます! ここにいます!」

 可夢偉はおどけてそう言った。その表情に悲壮感はない。

 事実、イギリスGPへの出場はもう決まっていた。新経営陣には前日にファクトリーで対面し、簡単な挨拶を済ませていた。

 チームからの公式発表によれば、チームの株式を取得したのはスイスと中東の投資ファンドだというが、その実態は明らかにしないという。アドバイザーとして表に立つのはかつてスパイカーやHRTでチーム運営を任されていたコリン・コレスという男で、持ち込み資金と成績とを天秤にかけたドライバーの扱いではひと癖もふた癖もある人物として定評がある。

 そしてチームCEOには彼のチームで走っていた元F1ドライバーのクリスチャン・アルバースが就いたが、彼は名ばかりの存在だろうと言われている。

 チームの所有者が変わり、経営陣の顔ぶれは変わったが、実際にレースをする面々に変わりはない。チーム売却が決まる前から、チームスタッフたちはこれまでのレースと同じようにシルバーストンに入って設営を始め、これまでと同じようにレースに臨んでいる。

「チームの中身は何も変わってないんで、心配することはないです。僕としてもコース上で結果を残すだけやし、何も変わらないですよ。(前経営陣と交わした)契約書は一応生きているみたいなんで、まぁ大丈夫だと思います」