2013.12.12

【F1】2013シーズン総括。王者・ベッテルが乗り越えてきた試練

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 もしあなたが、2013年のF1がセバスチャン・ベッテルとレッドブルの独走で「退屈なシーズンだった」と思っているのだとしたら、それは大きな間違いだ。

4連覇を成し遂げたレッドブルのベッテル たしかに、ベッテルは後半戦9連勝という驚異的な記録を達成して、1952年から1953年にかけてのアルベルト・アスカリの連勝記録や、2004年のミハエル・シューマッハに並ぶシーズン13勝という年間最多勝記録を樹立するなど、まさに「横綱相撲」だった。しかし、シーズン前半戦がレッドブル、フェラーリ、メルセデスAMG、ロータスが入り乱れる群雄割拠の争いが繰り広げられていたことを忘れてはいけない。前半10戦はレッドブル4勝、メルセデスAMG3勝、フェラーリ2勝、ロータス1勝という混戦だったのだ。

 それが8月のサマーブレイク以降、一転してレッドブルが独走体制に入っていった。それは、ライバルたちが次々に自滅していったからだ。

 フェラーリは6月のイギリスGPに投入した空力アップデートパーツが期待どおりの効果を発揮せず、開発の方向性を見失った。風洞とCFD(空力シミュレーション)が正確に機能していないことが発覚したからだ。

「タイトルが難しいと認識したのは(イギリスGPの次の)ドイツGP、ハンガリーGPのあたりだね。イギリスGPで投入した大きなアップデートがきちんと機能してくれなかったことで、僕らはレッドブルに大きな後れを取った」(フェルナンド・アロンソ)