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【F1】4連覇達成。ベッテルの根底にある「強さの秘密」

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki  桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 インドGPの戦いを終えたはずのブッダ・インターナショナル・サーキットに、突然の轟音とともにもうもうと白煙が立ち上った。なんと、優勝して2013年のチャンピオン獲得を決めウイニングランを終えたセバスチャン・ベッテル(レッドブル)がグランドスタンドの前でマシンを回転させているのだ。

 この"ドーナツターン"はデモ走行イベントなどではよく見かけるパフォーマンスだが、F1では危険行為として禁止されている。

 ベッテルはその御法度を破ってまで、満員のグランドスタンドに向けてドーナツターンを披露した。

史上最年少で4連覇を達成したベッテル。インドGPでもその速さを見せつけた史上最年少で4連覇を達成したベッテル。インドGPでもその速さを見せつけた  そもそも、ウイニングランを終えたマシンはピットに戻って表彰台の下に集わなければならない。ピットインせずにもう一度メインストレートを走る行為も規則違反だ。
※レース後、ベッテルには2万5000ユーロの罰金が科された

「特に前もって考えていたわけじゃなかったんだけど、でも『今日は違うでしょ』って思ってね。いつもは許されていないことだけど、グランドスタンドには大勢の人がいたし、今日はやるべき時だと感じたんだ。かまうもんか、僕はあそこに行きたいんだ!ってね」

 4年連続のドライバーズタイトル獲得という偉業を達成したベッテルは、子どものように無邪気に笑った。

 ある時はレースが退屈だとブーイングを受けてしまうほどの圧倒的な速さを見せながらも、純粋な心を持ち続け、何事にも謙虚に向かいあうのがベッテルの良さだ。

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