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【F1】4連覇達成。ベッテルの根底にある「強さの秘密」 (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki  桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

「だったら、唯一マシンに近付くことのできる自分がやれば良いじゃないか」。そう言ってベッテルは自ら送風機を手に取る。送風機を持つ世界チャンピオンなど、後にも先にも彼しかいないかもしれない。だが、速さと勝利を追求するためならば、やれることはなんでもやる。それがベッテルだ。

 同時に、チーム全員の努力があってこその今の速さであり、自分もチームの一員でしかないという謙虚さも揺るがない。

「チームは常に全力でプッシュしてくれている。そして僕もその一員であると認識しているし、少しでも力になれることがあればやる。自分の100%を捧げていなければ、落胆することになるはずだからね」

チーム一丸となってレースに臨むレッドブル。ベッテルもその一員としての意識をしっかりと持ってステアリングを握るチーム一丸となってレースに臨むレッドブル。ベッテルもその一員としての意識をしっかりと持ってステアリングを握る セッション後の技術ミーティングが終わればさっさとサーキットをあとにするドライバーも少なくない中で、ベッテルの移動車はいつもドライバー専用駐車場に最も遅くまで残っている。

「パドックがサーカスみたいに騒がしくて嫌だという人もいるけど、僕はここにいて顔見知りの人たちと過ごすのが好きなんだ。昨日の夜もメカニックたちと話しこんだよ。確かにマシンに乗り込んでドライブするのは大切な仕事だ。ただ、僕は今の結果を、すべて自分のものだと思ったりしない。チームのみんながやってくれていることにとても感謝しているんだ。彼らがどれだけ長時間働いているかということにみんな驚くと思う。本当に100%、自分たちの身をチームに捧げているんだ」

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