【MotoGP】開幕直前。「トップ4」それぞれの思惑 (2ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira photo by Nishimura Akira

ヤマハに復帰して、王座奪回に挑むバレンティーノ・ロッシ。テストでは好調をキープヤマハに復帰して、王座奪回に挑むバレンティーノ・ロッシ。テストでは好調をキープ■復活を期するバレンティーノ・ロッシは好調をキープ

 チームメイトのバレンティーノ・ロッシも、テスト3日目にはこの新型シャシーで走行をした。

 実は今回のテストでは、テスト2日目にロッシはロレンソを凌ぐトップタイムをマークしている。ヤマハ復帰以来、2月のセパンテストでトップに迫る走りを見せてきたのは事実だが、それでも最高で3番手どまり。今回のように、ドライコンディションのセッションで最速タイムを記録するのは、前回のヤマハ在籍時代に優勝を飾った2010年マレーシアGP以来の出来事だ。

 この日のロッシはセッティングに大きな変更をほどこし、特にフロントの足回りを大きく変えたことがいい方向に出たようだ。その結果、全選手最速の1分39秒525というタイムを記録。

 本人は、走行後に満足な表情を見せつつも、「コーナー進入ではマシンを限界まで使い切っていないと思う。YZR-M1の能力を100パーセント引き出すためには、自分自身がもっと対応をしていかなきゃならない」とも述べた。ちなみに、この日に39秒台を記録したのは、このロッシ以下、ロレンソ、クラッチロー、そしてペドロサという顔ぶれだ。

 そのような前日の結果を経て3日目のテストとなったわけだが、この日は朝から雨模様だったために全選手がいっせいにコースインしたのは、コースがドライアウトした午後4時頃。テストはわずか2時間を残す状態で、まるでレースウィークの予選にも似た緊張感と慌ただしさで推移した。

 そんな状況のなか、ロッシはこのセッション終盤にリアに新品タイヤを装着してタイムアタックを実施。昨日以上の記録更新を狙ったが、冒頭のとおり、クラッチローがわずかに上回り、総合では2番手となった。

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