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【F1】昨季とは大違い。
テストで判明した今季型タイヤの特性とは?

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

バルセロナでのテストで速さを見せた昨季優勝チームのレッドブルバルセロナでのテストで速さを見せた昨季優勝チームのレッドブル 2013年シーズン開幕を前に2度のテストが終わったが、今季のF1は混沌の中にいる。勢力図は、まだはっきりとは見えてこない。

 初回のテストが行なわれたスペインのヘレスサーキットは、コースレイアウトが特殊なうえ、経年変化が進んだ路面が粗(あら)すぎてタイヤを痛めやすく、新車の走行確認のほかに有益なテストができないまま終わってしまった。走り始めてすぐにタイヤの性能が低下し、1周につき1秒ずつタイムが落ちていく恐るべき状況だった。

「ここは左フロントがグレイニング(タイヤ表面のゴムめくれ)を起こしデグラデーション(性能低下)を引き起こすので、そのせいでアンダーステアだと訴えるドライバーが多いんだと思います。ですから、1周目はマシンバランスが良くても、2周目からはどんどん(トレッド表面のゴムが)めくれていくという状態なんだと思います」(今井弘エンジニア/マクラーレン)

 それでも、ヘレステストの後にスペインGPの舞台でもあるカタルーニャ・サーキットで行なわれるバルセロナ合同テストになれば、タイヤが本来の性能を発揮し、ある程度の勢力図が見えてくるだろうというのが各チームの一致した見解だった。

 しかし、バルセロナで見えたのは、ヘレスでのタイヤの異常事態が異常ではなかったということだった。どうやら、これこそが2013年型ピレリタイヤの「本性」であることが明らかになったのだ。

 一般的な路面のバルセロナでもタイヤは大きなデグラデーションが発生。ヘレスと同じようにタイムは周回ごとに低下し、1レースを走り切るのに5回ものピットストップを必要とするケースもあった。

 ドライバーたちいわく、今季のピレリタイヤは「非常に繊細に扱わなければすぐにボロボロになってしまう」のだという。

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