【競馬予想】秋華賞は本当にカムニャックで鉄板なのか 大本命が抱える不安と嫌なデータ (2ページ目)
そのひとつに挙げられるのは、ローテーション。実は、過去10年でローズSの勝ち馬が秋華賞を勝った、ということは一度もないのだ。同レースをステップにして勝ったのも、10年前のミッキークイーン(ローズS2着)しかいない。
ローズSと言えば、かつては秋華賞の「王道」と言われていたステップレース。現に過去11年~20年前までの間には、ローズS組が7勝。エアメサイア(2005年)、ダイワスカーレット(2007年)、ジェンティルドンナ(2012年)とローズSの勝ち馬も、秋華賞を制している。
しかし今や、トライアルなどをパスして、できるだけ間隔をあけて目標のレースに挑むのが主流。すなわち、"ぶっつけローテ"がトレンドとなっており、秋華賞でもGⅠオークス(東京・芝2400m)からの直行組が過去10年で6勝を挙げている。
秋華賞のステップレースは、確実にフェーズが変わったのだ。
にもかかわらず、カムニャック陣営は秋華賞のステップレースとしてローズSを選んだ。先述の専門紙記者がその理由を明かす。
「この春も、GⅡフローラS(4月27日/東京・芝2000m)から本番というローテーションでオークス(5月25日)を勝ちましたからね。それで、この馬は間隔をあけるより本番前に一度(レースを)使ったほうがいい、という判断が陣営にはあったようです」
あくまでも馬本位のローテということか。また、今年からローズSから本番までの間隔が1週延びたことも、そうした選択につながっているのかもしれない。
ともあれ、カムニャックが秋華賞に向けて嫌なデータを抱えていることに変わりはない。
それに、ローテーション以外にも懸念材料はある。この馬自身との戦い、である。その点について、再び専門紙記者が語る。
「カムニャックはまだ、精神的に成長しきれていないところがあります。レースでかかる気性が残っていて、制御するのに手がかかり、それゆえ乗り難しい。そのため、中団以降で我慢して末脚を生かす、という競馬しかできないんです。
ですから、ここ3戦は馬が強いから勝っていますけど、レースの流れや展開、アクシデントなどによっては、『強いけど勝てなかった』という結果になる恐れは大いにあり得ます」
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