【競馬予想】宝塚記念で見るべき血統 特殊な距離のレースに「穴」をあけそうな2頭をピックアップ
【注目の血はグラスワンダー】
6月15日(日)、阪神競馬場で3歳以上馬によるGⅠ宝塚記念(芝2200m)が行なわれる。昨年までは6月末に開催されていたが、今年は2週ほど開催時期が繰り上げられた。
昨年のGⅠ菊花賞(京都・芝3000m)馬アーバンシック、2023年のGⅠ天皇賞・春(京都・芝3200m)勝ち馬ジャスティンパレス、2023年のGⅠ皐月賞(中山・芝2000m)馬ソールオリエンス、2023年の菊花賞馬ドゥレッツァ、昨年のGⅠ有馬記念(中山・芝2500m)を勝ったレガレイラ、GⅠ大阪杯(中山・芝2000m)を連覇したベラジオオペラと、6頭のGⅠ馬が出走。昨年の有馬記念に出走した馬が6頭、大阪杯に出走した馬も6頭と、その路線の有力馬が順調に駒を進めてきた印象だ。
では、このレースを血統的視点から占っていこう。宝塚記念は注目すべき血統が多いが、今回はボルドグフーシュ(牡6歳、栗東・宮本博厩舎)に注目したい。
スクリーンヒーロー産駒のボルドグフーシュ photo by Sankei Visualこの記事に関連する写真を見る
父スクリーンヒーローはGⅠジャパンC(東京・芝2400m)の勝ち馬。また、GⅠ香港C(シャティン・芝2000m)など、マイルから中距離のGⅠを6勝したモーリスらの父として知られる。自身は5歳時に宝塚記念に出走して5着と敗れたが、産駒のゴールドアクターが2017年に2着に入った。
そして、注目すべきはその父グラスワンダーだ。同馬は1999年のこのレースで、圧倒的1番人気だったスペシャルウィークに3馬身差をつけて圧勝。同年の有馬記念も勝利している。
グラスワンダー産駒はアーネストリーが2011年に勝利し、2010年に3着。2009年にはサクラメガワンダーが2着に入っている。グラスワンダーは有馬記念を連覇しているが、この父系は"グランプリレース"と呼ばれる宝塚記念、有馬記念に強い。前述のゴールドアクターも2015年の有馬記念を制している。
さらに、この父系の馬は芝2200mにも強い。スクリーンヒーロー産駒からは、ゴールドアクターとウインマリリンがGⅡオールカマー(中山)を、ジェネラーレウーノがGⅡセントライト記念(中山)を制している。
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著者プロフィール
平出 貴昭 (ひらいで・たかあき)
主に血統分野を得意とする競馬ライター、編集者。(株)サラブレッド血統センター在籍。著書に『覚えておきたい日本の牝系100』『一から始める! サラブレッド血統入門』など。「週刊競馬ブック」で『血統見聞録』を連載するほか、「競馬四季報」などの編集業務にも携わる。そのほか、『優駿』などにも寄稿。twitterアカウント:@tpchiraide