今年のセントライト記念は波乱の予感...ひと夏越して成長した素質馬2頭の一発に期待 (3ページ目)
「セントライト記念の過去の勝ち馬で印象に残っているのは、2017年の覇者ミッキースワロー。菊沢隆徳調教師がデビュー前から、その素質を高く評価していた1頭です。ダービー切符を狙ったGII京都新聞杯は5着、その後の1000万下(現2勝クラス)・いわき特別も3着に終わりましたが、セントライト記念ではテン乗りでベテラン横山典弘騎手が騎乗。鮮やかな手綱さばきによって勝利し、同馬の実力を出しきっての結果だったと言えます。
このミッキースワローのように、秘める能力は高くても春先にはその能力をうまく出しきれず出世できなかった馬が、セントライト記念で存在感を示すことが多いです。2年前の勝ち馬ガイアフォースも初勝利が3月で、春のクラシック路線には間に合いませんでしたが、セントライト記念では秘めた能力を存分に発揮して快勝しました。
ルカランフィーストも、早くから素質の高さを評価されていた1頭。春は、GIIスプリングS(3月17日/中山・芝1800m)3着と優先出走権をつかんで皐月賞まで駒を進めましたが、同レースでは後方からの追い上げが及ばず、8着に終わりました。
それでも、勝ったジャスティンミラノが中山・芝2000mのコースレコード(当時)となる、1分57秒1をマークした超高速決着を経験しているのは強み。昨年10月、新馬戦(東京・芝1800m)を勝った際も、メンバー最速の上がり33秒6をマークするなど、時計の速い決着には対応可能とみます。
先週の秋華賞トライアル、GII紫苑S(9月7日/中山・芝2000m)では、皐月賞を上回るレコードタイムが飛び出し、開幕したばかりの中山は高速決着が顕著です。そうした馬場にも対応可能な素質馬が、夏の休養期間にじっくりと成長を促されて一変していれば......一発のチャンスは大いにあると思います」
セントライト記念は春の実績馬が強いレースとはいえ、もともと期待されていた馬がその才能を開花する一戦でもある。今年は、ここに名前の挙がった2頭が真価を発揮するのか、注目である。
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