ヴィクトリアマイルには勝ち馬の意外な法則がある――狙いは前走不本意な結果に終わった実力馬 (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu

ヴィクトリアマイルでの一発が期待されるフィアスプライド。photo by Sankei Visualヴィクトリアマイルでの一発が期待されるフィアスプライド。photo by Sankei Visualこの記事に関連する写真を見る 鞍上には、先週戦列復帰を果たしたクリストフ・ルメール騎手を確保。その辺りからも、勝負度合いは高い。

「ルメール騎手は、過去10年で8回騎乗して3勝、2着1回、3着1回と、さすがの戦績。先週、ケガから復帰したばかりですが、得意条件で持ち前の手腕をいかんなく発揮してくれるはず。名手とのコンビは心強い限りです。

 また、同馬には血統面でのあと押しもあります。ディープインパクト産駒は過去10年で3勝、2着4回、3着4回と断然の成績。速い上がりが求められるレースゆえ、瞬発力を身上とするこの馬にとっては、ベストな舞台と言えるでしょう」

 鈴木記者が注目するもう1頭は、ライラック(牝5歳)。GI勝ちこそないものの、GIエリザベス女王杯で2着(2022年/阪神・芝2200m)、4着(2023年/京都・芝2200m)といった好走歴がある実力馬だ。

「前走のGII阪神牝馬S(4月6日/阪神・芝1600m)は約3カ月半ぶりの実戦で、いつもの反応が見られずに10着。前々走のGI有馬記念(12月24日/中山・芝2500m)は、実績が乏しい2500m戦で13着。いずれも同馬にとっては厳しい条件だったことを思えば、度外視していいと思います。

 3走前のエリザベス女王杯では、上がり3ハロンでメンバー最速タイの時計をマークして4着。あらためて力のあるところを示しています。牝馬同士なら、実力上位。末脚が生きる東京コースでの巻き返しが期待されます。

 中間の調教の動きも抜群。美浦・Wコースでの2週前追い切りでは、馬なりでラスト1ハロン11秒4という好タイムをラクに記録し、戸崎圭太騎手が騎乗した1週前の追い切りでもラスト1ハロン11秒2と、極上の伸び脚を披露しました。

 その動きを見守った相沢郁調教師も、『1週間放牧に出してリフレッシュできた。いい状態です』と好ジャッジ。前走を叩いて状態は最高潮ですから、今回は能力を出しきってくれると思います」

 乙女たちによる熾烈なマイル戦で、波乱の歴史は繰り返されるのか。もしそうなら、ここに名前が挙がった2頭がその一端を担ってもおかしくない。

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