オークスのトライアル、GⅡフローラSで注目の「血統のレベルが高い」2頭とは?

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki

 4月21日(日)、東京競馬場で3歳牝馬によるGⅡフローラS(芝2000m)が行なわれる。

 このレースは、5月19日に行なわれるGⅠオークス(東京・芝2400m)のトライアルレースで、2着までにオークスの優先出走権が与えられる。今回はオークスも見据え、「血統レベルの高さ」というテーマで占っていきたい。

 筆者が気になるのはラヴァンダ(牝3歳、栗東・中村直也厩舎)だ。同馬は母のいとこにオークス馬ヌーヴォレコルトがいる血統。ラヴァンダ自身のいとこにも、地方交流GⅠのJBCクラシック(金沢・ダート2100m)勝ち馬のミューチャリーがいて、祖母ゴッドインチーフはGⅠ阪神3歳牝馬S(阪神・芝1600m)で3着に入った実力馬という優秀な牝系だ。

重賞初勝利を目指すラヴァンダ photo by 山根英一/アフロ重賞初勝利を目指すラヴァンダ photo by 山根英一/アフロこの記事に関連する写真を見る ヌーヴォレコルトはオークス出走時(2014年)、GⅢチューリップ賞(阪神・芝1600m)で2着、GⅠ桜花賞(阪神・芝1600m)で3着という実績はあったものの重賞は未勝利で、距離延長で素質を開花させたタイプだった。オークス勝利後も、GⅠ秋華賞(京都・芝2000m)やGⅠエリザベス女王杯(京都・芝2200m)、翌年のGⅠ香港C(芝2000m)でも2着に入るなど、中距離のGⅠレースで好成績を残している。

 ラヴァンダの父シルバーステートは、重賞勝ちはないものの、現役時代は芝1600~2000mで4勝を挙げた馬。産駒はGⅢファンタジーS(阪神・芝1400m)勝ち馬のウォーターナビレラなど、マイル前後の活躍馬も多い。だが、最近はGⅢ中山金杯(中山・芝2000m)のリカンカブール、GⅢ七夕賞(福島・芝2000m)のセイウンハーデス、若葉S(阪神・芝2000m)のショウナンバシットなど2000mでの活躍が目立っている。

 産駒全体の芝コースの成績を見ても、芝2000mは252戦33勝で勝率13.1%と、勝利数2位の芝1600mの勝率(269戦20勝で7.4%)を大きく上回っており、最も得意な条件となっている。東京コースの芝2000mでも、前述のセイウンハーデスがプリンシパルS、バトルボーンが3勝クラスのウェルカムSを1分57秒8の好時計で勝つなど、上級クラスでの実績も十分だ。

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