竹俣紅アナが朝日杯FSで重要視するポイントは? 「まずはメンタル。もうひとつは...」 (2ページ目)

  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi

 ブレイディヴェーグについては、スタートの出遅れ癖が不安視されていたのですが、デビューからの映像をすべて見返して、レースを重ねるごとにそれを克服しようという意識と成長が感じられました。

 さらに、過去の映像からは、彼女はスタートが悪くても二歩目が速い馬、ということを知ることができました。おかげで、これまでだったら「スタートが懸念」として軽視していたかもしれない馬を本命にすることができ、少しは日々の研究の成果が出せたのかなと思っています。

この記事に関連する写真を見る さて、今週は2歳GI、朝日杯フューチュリティSが行なわれます。夏以降、できるだけ2歳戦もチェックしてきたので、朝日杯FSの出走馬には知っている馬も多く、とても楽しみなレースです。

 なかでも、私の印象に残っているのは、GIII新潟2歳Sでのエンヤラヴフェイスです。

 このレースが行なわれたのは、私がちょうどラップタイムについて勉強し始めた頃でした。ですから、新潟2歳Sの前には、エンヤラヴフェイスが勝った中京での新馬戦のラップタイムも調べていました。

 その時に気づいたのは、2年前に同じく中京で新馬戦を勝ったセリフォスのラップタイムに似ている、ということ。セリフォスと言えば、デビュー3連勝を飾って、朝日杯FS(2021年)でも2着と好走し、3歳秋にはマイルCSを制したGI馬です。

 きっとこの馬もGⅠ級の強さを持っているに違いない! そう考えた私は、エンヤラヴフェイスを本命に予想。井崎脩五郎先生もこの馬を本命にされていたので、これは期待できる! と思いながら、レースの時を待っていました。

 ところが、パドックを周回するエンヤラヴフェイスを見た瞬間、井崎先生がポツリとひと言。「子どもだな」とおっしゃったんです。

 結果は、7着。井崎先生がおっしゃっていたとおり、エンヤラヴフェイスはまだまだ気性が幼く、パドックでは落ちつきがなく、レースでも他の馬たちに囲まれて走る気をなくしてしまったようです。

 やはり2歳戦では、どれだけメンタルが大人になっているかが重要なんだと思い知らされたレースでした。

 ちなみに、新潟2歳Sのあと、エンヤラヴフェイスはGIIデイリー杯2歳Sで2着に。能力が高いことを証明してくれました。朝日杯FSでは、メンタルがどれくらい大人になっているのか楽しみです。

 そういった教訓から、朝日杯FSの予想のポイントは、第一に"メンタル"。そしてもうひとつ、"逃げ馬"にも注目したいと思っています。

 というのも、2歳戦では他馬の影響を受けにくい逃げ馬が気分よく走って、勝ち負けを演じるシーンをよく見ます。先述の新潟2歳Sでも、人気薄のショウナンマヌエラが2着に粘りました。

 後方から来る馬のメンタルがまだ子どもだったら、差し届かない――そんな前残りの展開が、朝日杯FSでも十分に考えられるかなと思います。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る