ジャパンCを制すのはイクイノックスか、リバティアイランドか――3人の外国人記者はこう見ている (2ページ目)

  • 土屋真光●取材・文 text by Tsuchiya Masamitsu

 そして今回、イクイノックスの斤量58kgに対して、3歳牝馬のリバティアイランドは斤量54kg。この恩恵は、リバティアイランドにとって大きな優位性となり、イクイノックスにとっては非常に難しいものになると思います。

 ですが、現段階のキャリアにおいては、イクイノックスがリバティアイランドの挑戦に応えながら、"世界一"の貫禄を見せてレースを制するだろう、と私は見ています。イクイノックスは、今や真のチャンピオンに成長。戦術的にも、どこからでも競馬ができる順応性があり、距離が2400mになる今回はより強くなると見込んでいます。

 もちろん競馬なので、絶対はありません。だとしても、2頭とも類まれな才能の持ち主。どちらかが勝てなかったとしても、その敗北が彼らの功績や評判を下げることがあってはならないでしょう」

 世界中のレースそのものだけでなく、それを取り巻くさまざまなシーンにもスポットを当てて取り上げることで、各方面から話題を集めている『World Horse Racing』のメンバーで、オーストラリアでコメンテーターを務めるアンドリュー・ホーキンス記者も興奮気味に語る。

「ドバイでも実際にその走りを見ましたが、天皇賞・秋の走りを見て、私もイクイノックスが勝つと思っています。無論、リバティアイランドも彼に劣らないだろうし、斤量面での恩恵や、前走からの間隔においてはアドバンテージもあると思いますが、イクイノックスは明らかに今が力のピークにあると見ます。

 もしリバティアイランドに一発があるとすれば、4コーナーの位置取りがカギになるのではないでしょうか」

 イギリス出身で、現在は『レーシングポスト』のフランス支局に在籍するスコット・バートン記者は、「まだ3歳世代のどの馬とも対戦していないイクイノックスにとって、リバティアイランドは新しく、強力なチャレンジャーとなるのは間違いないでしょう。トリプルティアラ(牝馬三冠)での活躍は目覚ましいものでした」と切り出し、こう続けた。

「しかし、リバティアイランドが勝利したGIオークス(5月21日/東京・芝2400m)も、秋華賞も、ハーパーとドゥーラがそれぞれ上位に来たように、基本的には同じ相手に勝ち続けているにすぎません。そう考えると、力は認めるものの、彼女がジャパンCを制するまでには至らないかもしれません。

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