世界が注目のジャパンC リバティアイランドは「世界一」のイクイノックスに勝てるか

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo

"世界最強"のイクイノックス(牡4歳)と、破格の三冠牝馬リバティアイランド(牝3歳)との対決が注目を集める、今年のGIジャパンC(11月26日/東京・芝2400m)。ここでは少し偏って、「がんばれ! リバティアイランド!」といった立ち位置で、リバティアイランドが"打倒イクイノックス"を果たす可能性があるか、探ってみたい。

ジャパンCで世界ランク1位のイクイノックスに挑むリバティアイランド。photo by Eiichi Yamane/AFLOジャパンCで世界ランク1位のイクイノックスに挑むリバティアイランド。photo by Eiichi Yamane/AFLOこの記事に関連する写真を見る この対決、競馬ファンの大方の見立ては、GI天皇賞・秋(10月29日/東京・芝2000m)を1分55秒2という驚異的なレコードタイムで制したイクイノックスのほうが、七分三分、悪くても六分四分で分がある、というものだろう。

 ただ一方で、こんな見方もある。関西の競馬専門紙記者が言う。

「確かにイクイノックスの、天皇賞・秋のレコード勝ちは大したものです。ですが、そこには"恵まれた"という一面もありました。

 まず、舞台が時計の出やすい高速馬場だったこと。そして、その高速馬場で、逃げ馬が絶望的なハイペースで飛ばしたこと。

 ゆえに、あの時計は額面どおりには受け取れません。いくらか割り引く必要があり、その分、リバティアイランドとの間には、巷で言われているほどの差はない、ということです」

 そうした考察があるとすれば、一見"鉄壁"に見えるイクイノックスの牙城も、つけ入る隙はあるのかもしれない。とりわけ、今回のジャパンCに限っては、なおさらである。

 というのも、イクイノックスには今回、いくつかの懸念材料があるからだ。

 第一に、レース間隔だ。もともとイクイノックスには"詰めて使えない"という弱点がある。

 振り返れば、3歳クラシック第1弾のGI皐月賞(2着。2022年4月17日/中山・芝2000m)には、前年のGII東京スポーツ杯2歳S(1着。2021年11月20日/東京・芝1800m)以来という、異例の長期休養明けで臨んでいる。

 その後も十分な間隔を取ってレースに使われており、皐月賞のあと、続けてGI日本ダービー(2着。2022年5月29日/東京・芝2400m)に挑んでいるが、その時でも中5週の間隔があった。

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