菊花賞は皐月賞馬、ダービー馬による3度目のワンツー決着もある 穴なら距離延びてよさが出てきた素質馬 (2ページ目)

  • 武藤大作●取材・構成 text by Mutoh Daisaku
  • photo by Sankei Visual

――そうなると、波乱ムードが高まっていると考えてもいいのでしょうか。

大西 僕は、そうは考えていません。というのも、新たな新興勢力の台頭がほとんど見られないからです。

 もうひとつの前哨戦、GII神戸新聞杯(9月24日/阪神・芝2400m)を勝ったのはサトノグランツ(牡3歳)。その他、古馬相手のGII札幌記念(8月20日/札幌・芝2000m)で2着と好走したトップナイフ(牡3歳)、GIII新潟記念(9月3日/新潟・芝2000m)で勝利したノッキングポイント(牡3歳)と、目立った結果を出しているのは、いずれもダービーに出走し、タスティエーラとソールオリエンスの2頭に完敗した馬ばかりですから。

 確かに春の二冠は極端な展開で、時計面で強調すべき点はありませんでしたが、どんな展開になっても崩れずに走れる2頭の安定感は、評価すべきだと思います。

 菊花賞でも、やはりこの2頭がレースの中心になる可能性は高いでしょう。僕は3度目のワンツー決着も十分にあり得ると考えています。

――ということは、伏兵の激走を期待するのは難しい状況にあるかもしれませんが、2頭以外で大西さんが気になっている存在はいますか。

大西 距離を延ばしてよさが出てきたノッキングポイントに注目しています。ダービーでは、木村哲也厩舎の2番手(当時1番手の評価を受けていたのは、クリストフ・ルメール騎手騎乗のスキルヴィング)といった扱いでしたが、15番人気という低評価を覆す走りを披露。勝ち馬にコンマ2秒差の5着と健闘しました。

 そして、それがフロックでないことを証明したのが、前走の新潟記念。重賞戦線で奮闘を続ける古馬たち相手に、中団から抜け出して快勝しました。

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