本命なき戦いの皐月賞は「前で立ち回れる馬」「重馬場も苦にしない馬」が高配当を演出する (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Yasuo Ito/AFLO

 そういう意味では、弥生賞を使ったことで、今回はさらに状態が上がっていると思います。馬場も、雨馬場のほうがいいタイプです。

GIホープフルSでもハナ差の2着と奮闘したトップナイフ(写真左、青帽)GIホープフルSでもハナ差の2着と奮闘したトップナイフ(写真左、青帽)この記事に関連する写真を見る あと、ホープフルS(の2着好走)はうまくペースを作ったから、というのは間違いないのですが、逆に言えば、そういう立ち回りができるのも強み。今回もおそらくグラニット(牡3歳)が積極的に行って、そのあとを単騎逃げのような形で行けるのもいいと思います」

 続いて木村記者は、新種牡馬マインドユアビスケッツの産駒に注目する。

ホウオウビスケッツ(牡3歳)です。6月生まれの(2歳)12月デビューで、一回一回レースを重ねるごとに、すごくよくなっている印象があります。

 前走のGIIスプリングS(3月19日/中山・芝1800m)は、好位につけていい形で競馬ができたこともありますが、重賞で2着になるのは力があってこそ。課題だった気性面もクリアできていました。

 2000mという距離は、1勝クラスのフリージア賞(2月18日/東京・芝2000m)で勝っているとはいえ、ギリギリかなと。マインドユアビスケッツ産駒は、前向きな子どもが多くて、若干折り合いに苦労する馬が多いですから、距離が延びてプラスになるというタイプではありません。

 それでも、スプリングSも後半のラップが優秀で、身体能力はすごく高い。遅生まれというディスアドバンテージを感じさせないほど、ここまで順調にきています。パワー型の父、そして母父ルーラーシップも渋った馬場は大歓迎でしたから、そこは苦にせず上位争いに加わってくるのではないでしょうか」

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