本命不在の皐月賞で狙ってみたい2頭は? 母系が優秀なロードカナロア産駒と、ラブリーデイ産駒で唯一の重賞勝ち馬

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by 山根英一/アフロ

 4月16日(日)、中山競馬場で3歳馬によるGⅠ皐月賞(芝2000m)が行なわれる。

 今年はGⅠ朝日杯フューチュリティS勝ち馬のドルチェモア、GⅠホープフルSのドゥラエレーデともに不出走でGⅠ馬は不在。重賞2勝馬も不在と、牝馬のリバティアイランドのような絶対的存在がいないため混戦が予想される。

 そんなレースを血統的視点から占っていこう。今年の出走予定馬には、皐月賞に縁のある馬が多い。なかでも筆者が気になるのがベラジオオペラ(牡3歳、栗東・上村洋行厩舎)だ。

 スプリングSを制したベラジオオペラ スプリングSを制したベラジオオペラこの記事に関連する写真を見る 父ロードカナロアはアーモンドアイの父で、他には短距離~マイルの名馬を多く出しているが、牡馬クラシックで唯一勝利しているのがこの皐月賞(2019年にサートゥルナーリアが勝利)。また、2018年にステルヴィオが4着、2021年にアドマイヤハダルが4着と、わずか4頭の出走だが1勝、4着2回と安定した成績を残している。

 ベラジオオペラの血統で注目すべきは母系だ。曽祖母エアデジャヴーは中山・芝1800mで行なわれたGⅢクイーンSを勝ち、GⅠオークス2着、GⅠ桜花賞3着、GⅠ秋華賞3着という実力馬。その弟エアシャカールは2000年の皐月賞、GⅠ菊花賞を勝った2冠馬だ。

 さらに祖母エアマグダラの全兄エアシェイディは、中山・芝2200mのアメリカJCCを勝ったほか、GⅠ有馬記念で2度3着に入った「中山巧者」。他にもエアアンセム、エアソミュール、エアスピネル、エアウィンザーなど、多くの重賞勝ち馬が近親に名を連ねている。

 ベラジオオペラの戦績を振り返ってみよう。昨年11月の新馬戦(阪神・芝1800m)は、2番手追走からの叩き合いをアタマ差で制して初勝利。続く今年1月のセントポーリア賞(東京・芝1800m)も2番手からゴール前で力強く抜けて押しきり2連勝を飾った。そして前走のGⅡスプリングS(中山・芝1800m)では、道中7番手から脚をためて差し脚を伸ばし、2着に1馬身1/4差をつけて完勝している。

 その3戦はすべて1800mで、2000mは今回が初めて。だが、新馬戦は稍重、2戦目は良馬場、3戦目は重馬場と、すべて異なるコースと馬場状態で負けなしの安定感は魅力。前述の血統背景からも、2000mはむしろ歓迎材料となりそうだ。

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