レースぶりが一変した素質馬シングザットソング 桜花賞でも強敵相手に躍動することができるか
2023年クラシック候補たち
第11回:シングザットソング
3歳クラシックの舞台で好勝負を演じるには、高い能力に加えて、レース運びのうまさが求められる。そういう意味では、ここにきてレースぶりが一気に向上し、本番のGI桜花賞(4月9日/阪神・芝1600m)でも楽しみな存在が1頭いる。
桜花賞トライアルのGIIフィリーズレビュー(3月12日/阪神・芝1400m)を制したシングザットソング(牝3歳/父ドゥラメンテ)である。
桜花賞トライアルのフィリーズレビューを快勝したシングザットソングこの記事に関連する写真を見る 栗東トレセンの高野友知厩舎に所属する同馬は、昨年10月の2歳新馬(10月22日/阪神・芝1600m)でデビュー。中団後方から力強く伸びて、鮮やかな勝利を飾った。
しかし続く1勝クラスの白菊賞(11月27日/阪神・芝1600m)では、大外枠発走から出足で外にモタれて出遅れ。直線、内から追い込むも5着に終わった。
3走目のリステッド競走・エルフィンS(2月4日/中京・芝1600m)でも、スタート後にダッシュがつかず大きく出遅れた。直線に入って大外から強襲するが、3着が精いっぱい。前半のロスが響いたのは明らかだった。
そんなレースぶりが一変したのが、フィリーズレビューだった。絶好のスタートをきると、好位の5、6番手を追走。4角手前から先頭に並びかけていって、直線半ばで先頭に立つと、そのまま後続の追撃も振りきってトップでゴール板を通過した。
苦手なスタートを克服して、桜花賞への切符を手にしたシングザットソング。もともとその能力の高さを買っていた陣営も、大一番へ向けて確かな手応えを得たようだ。関西競馬専門紙のトラックマンがその様子を伝える。
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