高松宮記念は「人気ほどの実力差はない」各ジョッキーが一発を目論むなかで浮上する穴馬候補 (3ページ目)

  • 武藤大作●取材・構成 text by Mutoh Daisaku
  • photo by Kyodo News

――レースの展開は、どうなると思われますか。

大西 前走で逃げた馬が1頭もいないので、ペースが落ちつくことも考えられますが、僕は全体的に前がかりの展開になると考えています。

 ジョッキーの心理からして、同じような位置でごちゃつくぐらいなら、一歩でも前に出て有利にレースを運んだほうが勝ちに近づけると思うはずで、もし馬場が悪くなれば、なおさらその意識は強くなるのではないでしょうか。

昨年の高松宮記念を制したナランフレグ昨年の高松宮記念を制したナランフレグこの記事に関連する写真を見る――そういう流れのなかで、一発が期待できる穴馬はいますか。

大西 ナランフレグ(牡7歳)です。昨年の勝ち馬ですが、その後は成績が振るわず、前哨戦でも見せ場さえ作れませんでした。

 ただ、それには敗因があって、斤量だったり、馬場だったり、展開などが向いていなかっただけ。となれば、まだ見限るのは早計だと思います。

 昨年は極端な枠(1枠2番)を引いてしまったので、レースで採れる選択肢も狭まって、腹をくくってインを突くしかありませんでした。でもそれが、結果的には功を奏しました。

 もともとは馬場の大外一気を得意にしていた馬ですが、その時の馬場に応じて乗り方を変えられるようになったのは強み。さらに、鞍上の丸田騎手が昨年の勝利で、気持ちの面でも余裕を持って臨めるのは大きいでしょう。

 いろいろと条件がかみ合えば、この馬の連覇の可能性は十分にあります。7歳という年齢を考えても、おそらく人気はそこまで上がらないでしょうから、このナランフレグを今回の「ヒモ穴馬」に指名したいと思います。

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