金鯱賞は例年との違いに注意「穴党記者」はこのレースで結果を出してきたタイプによく似た2頭に白羽の矢

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Sankei Visual

 今週から春の中京開催がスタート。その開幕週に行なわれる重賞は、GII金鯱賞(3月12日/中京・芝2000m)だ。

 GI大阪杯(阪神・芝2000m)の前哨戦として、この時期に施行されるようになってから今年で7回目。これまでの6回は、1番人気が4勝、2着1回、3着1回とすべて馬券に絡んでおり、その信頼度は高い。

 それゆえ、一見固いイメージのあるレースだが、6番人気以下の伏兵も馬券圏内(3着以内)に7回も絡んでいて、波乱含みの一戦だ。一昨年には、10頭立ての最低人気ギベオンが勝利して、3連単は78万3010円という高額配当が飛び出した。2017年にも1番人気のヤマカツエースが勝ちながら、2着に7番人気のロードヴァンドール、3着に13番人気のスズカデヴィアスが突っ込んできて、3連単は19万2050円という高配当をつけた。

 こうした傾向からすると、1番人気を中心に考えつつ、手広く狙っていくのが馬券のセオリーと言えそうだが、今年は少し様相が違うようだ。中日スポーツの大野英樹記者が言う。

「そもそも、今年の金鯱賞はどの馬が人気になるのかわかりづらいんですよね」

 確かに今年は、昨年のジャックドールのような上がり馬や、一昨年のデアリングタクトのような実績馬も不在。となると、「1番人気を中心に......」という考え方からして成り立たなくなるが、実際にそうしたなかで押し出された人気馬について、大野記者は懐疑的な目を向ける。

「今回は、乗り慣れた川田将雅騎手に鞍上が戻って、未完の逸材プログノーシス(牡5歳)の巻き返しに注目が集まっている一戦。ただこの馬、脚力はあっても、ゲートの不安定さから力を出しきれていない印象があります。

 金鯱賞は、一昨年にギベオンが、昨年はジャックドールが逃げきったレース。その辺りを加味すると、発馬不安のあるプログノーシスは前走のGIII中日新聞杯(4着。12月10日/中京・芝2000m)同様、強さを見せながらも取りこぼしてしまう可能性が十分にあります」

 そうした状況にあって、今年の金鯱賞は例年以上に難解なレースとなりそうだが、大野記者は「好位を奪うスピードがあって、しかも瞬発力を繰り出せる馬が面白いのでは」と言って、2頭の穴馬候補を推奨する。

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