根岸Sは本気度高いスペシャリストが中心も、穴党記者が期待するのはGI級の底力を秘めた伏兵2頭の一発逆転

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Sankei Visual

 今週から東京開催がスタート。開幕週に行なわれる重賞は、GIフェブラリーS(2月19日/東京・ダート1600m)の前哨戦となるGIII根岸S(1月29日/東京・ダート1400m)だ。

 重要なステップレースゆえ、過去ここで結果を出して本番でも上位争いを演じた馬は数多くいるが、一方でダート1400mのスペシャリストがここを目標に挑んでくることも少なくない。その分、陣営の本気度が伝わりやすいのか、ここ10年の結果を見てみると、1番人気は4勝、2着3回とまずまずの成績を残している。

 しかしながら、馬券圏内には8番人気以下の伏兵が何度も突っ込んできており、波乱含みの一戦でもある。実際、3連複、3連単では好配当がしばしば生まれている。

 はたして、今年はどうか。

 出走メンバーを見渡してみると、ダート1400mのスペシャリストが顔をそろえ、それらが人気の中心となると見られている。日刊スポーツの木南友輔記者も、「今年の根岸Sは、ダート1400mで強さを誇るメンバーが集結。なかでも、上位人気が予想されるレモンポップ(牡5歳)、ギルデッドミラー(牝6歳)、バトルクライ(牡4歳)、ヘリオス(せん7歳)、セキフウ(牡4歳)らが、ここで結果を出して本番のGIへ、という様相となっています」と語る。

 とはいえ、それら有力馬にもつけ入る隙がないわけではない。木南記者が続ける。

「有力視される面々のなかでも、特に下馬評が高いのは、レモンポップとギルデッドミラーでしょうか。レモンポップとしては、実績のある1200mや1400mのGIが中央競馬にはないため、ここでは確実に結果を出したいはず。ただ、次へ向けても色気を持って余力を残しているようだとどうなのか。

 また、ギルデッドミラーはオーナーとなるクラブ法人の規約によって、3月いっぱいで引退となります。それを考えれば、おそらく残り2戦。ここもきっちり勝っておきたいところだと思いますが、大一番を見据えた戦いになるとどうでしょう......」

 そうした状況を踏まえて、木南記者は2頭の激走候補の名を挙げる。

「1頭目は、ケンシンコウ(牡6歳)です。顔の派手さが魅力の同馬ですが、トレセンで見ていても、レースを見ていても、気性の激しさを秘めた馬で、走らない時はまったく走らない、難しいタイプです。

 前走のオープン特別・ポルックスS(1月8日/中山・ダート1800m)も9着と惨敗を喫しましたが、スタートであおって流れに乗れないまま終わってしまうという、残念な時のケンシンコウでした。

1 / 2

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る