混戦の3歳牡馬戦線に登場した期待の「新星」ソールオリエンス。陣営も「最初から"走る馬"だと思っていた」と絶賛

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Sankei Visual

2023年クラシック候補たち
第3回:ソールオリエンス

 今年の3歳牡馬クラシック戦線は「大混戦」と言われている。そんななか、"主役"候補となり得る楽しみな馬が登場した。

 美浦トレセンの手塚貴久厩舎に所属するソールオリエンス(牡3歳/父キタサンブラック)である。

京成杯で鮮やかな勝利を飾ったソールオリエンス京成杯で鮮やかな勝利を飾ったソールオリエンスこの記事に関連する写真を見る 同馬は、昨秋の2歳新馬(11月13日/東京・芝1800m)でデビュー。ゆったりしたペースのなか、3~4番手を追走して直線入り口で先頭に並びかけていく。そこから鞍上がゴーサインを出すと、以降は内から抜けてきたレーベンスティールとマッチレースを展開。最後はクビ差競り落として勝利を飾った。

 3着以下には5馬身差をつける圧巻のレースぶりだったが、それ以上に衝撃的だったのが次戦。デビュー2戦目での重賞挑戦となったGIII京成杯(1月15日/中山・芝2000m)だ。

 中団やや後方に待機していた同馬は、3コーナー過ぎから徐々に進出していったが、直線を前にして大きく外へ膨れてしまう。その結果、一度は先団に迫りながら、勝負どころで先頭から4~5馬身の差をつけられてしまった。

 だが、そこから態勢を立て直すと、一気に加速。大外から内を行くライバルたちを瞬時にかわし、突き抜けていった。終わってみれば、2着に2馬身半をつける完勝。その勝ちっぷりによって、一躍クラシック候補に躍り出た。

 また、同馬の兄には海外GIのドバイターフ(UAE・芝1800m)において、2021年に2着、2022年に3着と好走しているヴァンドギャルド(牡7歳/父ディープインパクト)がいる。そうした血統背景もあって、ソールオリエンスの評価は一段と上がっている。

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