有馬記念で勝つのはどの馬か。識者5人が現時点で選んだ「ベスト3」 (3ページ目)

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小田哲也記者(スポーツニッポン)

1位=エフフォーリア
2位=ジェラルディーナ
3位=ディープボンド

 GI宝塚記念(6着。6月26日/阪神・芝2200m)以来となるエフフォーリア。今回の休養は、故障とかではなく、あくまでも調子のリセット。それに、今春敗れた阪神の2戦は、慣れていない関西への長距離輸送があってのもの。特に宝塚記念は暑さの影響もありましたから、ノーカウントでいいと思います。

 有馬記念は昨年勝った舞台。体調的には少し立派なところはあるものの、1週前の動きはよかったので、本来の力を出せれば巻き返しておかしくありません。

 ジェラルディーナは、決して道悪がいいタイプではないのにもかかわらず、重馬場だったエリザベス女王杯では見事に外から差し切りました。以前は折り合い難で、適性距離よりも短いところを使われていましたが、今はそれに耐えうる進境を見せており、馬込みも問題なくさばけるようになりました。

 また、3歳時よりも見違えるほど体つきが変わってきており、今が充実期。エリザベス女王杯で一蹴したウインマリリンがその後、香港で牡馬相手にGIを制覇しており、"勝ち切る"という意味合いではこの馬も適しています。

 昨年2着のディープボンド。凱旋門賞は18着と惨敗しましたが、さすがに道悪の度がすぎていました。その結果は、度外視していいでしょう。

 決め手のある馬ではないので、いわゆる中央競馬四大場のなかでは、強烈に上がりのかかる今の季節の中山・芝2500mがベストだと思います。来年の天皇賞・春は京都開催でこの馬にはマイナス。ならば、ここに全力投球と見ます。


土屋真光氏(フリーライター)

1位=イクイノックス
2位=タイトルホルダー
3位=ボルドグフーシュ

 イクイノックスは、父キタサンブラックの絶頂時ほどの圧倒感はないものの、同じ3歳秋当時の父よりも、総合力の高さを感じます。キレというよりは伸びが武器なので、向き不向きで言えば、中山よりも東京タイプに思えますが、皐月賞のように自分で動いていける引き出しもありますから、自分の型に持ち込めば勝ち負けでしょう。

 タイトルホルダーは、あの極悪馬場の凱旋門賞でも直線までしっかり前で踏ん張っていましたし、日本の馬場に戻って、中山のようなコースであれば、当然勝ち負けになるはず。前目でレースを進めたい馬が何頭かいるので、かなりタフな流れになるのは望むところでしょう。

 そのタフな流れになった時に一発があると思うのは、ボルドグフーシュ。スクリーンヒーロー産駒は、この時期からが特に成長するタイミング。また、コーナーでも加速しながら動けることが多いので、豪快に外からまくってくるシーンも考えられます。

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