有馬記念で0勝の血統的ジンクスを「現役最強馬」が打ち破るか、レースと相性がいい5歳牝馬が上回るか
12月25日、中山競馬場で3歳以上馬によるGⅠ有馬記念(芝2500m)が行なわれる。
1年の総決算として行なわれるこのレース。今年は、昨年の勝ち馬エフフォーリア、今年の天皇賞・春と宝塚記念を勝ったタイトルホルダー、天皇賞・秋を勝ったイクイノックス、ジャパンCを勝ったヴェラアズール、大阪杯を勝ったポタジェ、エリザベス女王杯を勝ったジェラルディーナ、昨年のエリザベス女王杯のアカイイトと、7頭のGⅠ馬が出走する豪華メンバーが揃った。そんなレースを血統的視点から分析していきたい。
「現役最強馬」とも呼ばれるタイトルホルダーこの記事に関連する写真を見る 今年で67回目を迎える有馬記念には、大きな血統的ジンクスがある。それは、「ミスタープロスペクター系の勝利がない」ということだ。ミスタープロスペクターといえば米国生まれの大種牡馬で、キングマンボ、ゴーンウエスト、ファピアノ、フォーティナイナー、シーキングザゴールドなどによって、米国のみならず、欧州、オセアニアと世界的に血を広げている。日本でも、キングカメハメハが2010、11年のリーディングサイアーに輝いた。
もともとはスピードタイプの父系だが、2400mの日本ダービーはキングカメハメハ(父キングマンボ)、エイシンフラッシュ(父キングズベスト)、ドゥラメンテ(父キングカメハメハ)、レイデオロ(父キングカメハメハ)で4勝。3000mの菊花賞もソングオブウインド(父エルコンドルパサー)、キセキ(父ルーラーシップ)、タイトルホルダー(父ドゥラメンテ)で3勝。2500mの距離が合わないわけではない。しかし有馬記念には、これまで51頭が挑戦するも5回の2着が最高着順という成績。2019年には、単勝1.5倍の圧倒的1番人気に推されたアーモンドアイがまさかの9着に敗れている。
今回、このミスタープロスペクター系に当てはまるのが、ドゥラメンテ産駒タイトルホルダー、キングカメハメハ産駒ボッケリーニ、エイシンフラッシュ産駒ヴェラアズールの3頭だ。通常、血統予想はそのレースと相性がいい血統を挙げるものだが、今回は"逆転の発想"でタイトルホルダー(牡4歳、美浦・栗田徹厩舎)を推奨する。
1 / 3