有馬記念で勝つのはどの馬か。識者5人が現時点で選んだ「ベスト3」

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天皇賞・秋で圧巻の競馬を披露したイクイノックス天皇賞・秋で圧巻の競馬を披露したイクイノックスこの記事に関連する写真を見る 暮れの大一番、GI有馬記念(12月25日/中山・芝2500m)が迫ってきた。

 今年は3歳クラシックの勝ち馬こそ不在だが、GI皐月賞(4月17日/中山・芝2000m)、GI日本ダービー(5月29日/東京・芝2400m)でともに2着と奮闘し、GI天皇賞・秋(10月30日/東京・芝2000m)で強豪古馬を蹴散らしたイクイノックス(牡3歳)をはじめ、春にGI2勝を挙げたタイトルホルダー(牡4歳)、復活を期す昨年の年度代表馬エフフォーリア(牡4歳)、GIエリザベス女王杯(11月13日/阪神・芝2200m)を制したジェラルディーナ(牝4歳)、そしてGIジャパンC(11月27日/東京・芝2400m)を快勝したヴェラアズール(牡5歳)など、一年を締めくくる"グランプリレース"にふさわしいメンバーが顔をそろえた。

 名前を挙げた面々に限らず、他にも一発の魅力を秘めた馬たちがズラリ。レースの目前まで勝ち馬検討には頭を悩ませることになりそうだ。

 そんななか、現場の記者・トラックマンたちは、最終追い切り前で、枠順発表前の現時点で、どの馬を有力視しているのだろうか。有馬記念で勝利に最も近いと思う「ベスト3」を選出してもらった――。


太田尚樹記者(日刊スポーツ)

1位=イクイノックス
2位=ヴェラアズール
3位=タイトルホルダー

 ほとんどの騎手が「トリッキーなコース」と口をそろえる中山・芝2500m。ただ、過去10年の有馬記念の勝ち馬は、9頭が4番人気以内で、うち6頭が1番人気でした。

 過去10年の平地GI233戦での1番人気の勝率は34.8%(81勝)ですから、1番人気の勝率60%を誇る有馬記念は、人気馬の信頼度が高いレースと言えます。少なくとも"勝つ馬"については、無理な穴狙いは禁物でしょう。

 まずイクイノックスは、天皇賞・秋やGII東京スポーツ杯2歳S(東京・芝1800m)など、府中でのパフォーマンスが目を引きますが、中山が舞台の皐月賞の走りも優秀でした。大外枠を引いて終始外を走らされながら、3角からのロングスパートで勝ちにいって2着と踏ん張りました。鞍上のクリストフ・ルメール騎手も、「休み明け、少し重い馬場、外枠......。すべてアゲンスト(逆風)だった。それでも、すごくいい競馬」と、地力を称えていました。

 常に全力を出しきるだけに、1走ごとの消耗が大きく、ジャパンCを見送って2カ月の間隔を空けたローテーションにも好感が持てます。

 ヴェラアズールは、中山へのコース替わりがポイントになりそうですが、手綱をとる松山弘平騎手は「やってみないとわからないところがあります」としたうえで、「前走(のジャパンC)も馬群を割って最後までいい脚を使っていますし、そんなにコースを問わないのでは」と見ています。あとは、ジャパンC時の絶好の出来に、どこまで近づけるかでしょう。

 タイトルホルダーについては、ある騎手が出走馬を見渡して「これではラク逃げ。(先行馬の)アスクビクターモアに出てほしかった」と、こぼしていました。展開面では明らかに有利ですし、道悪の凱旋門賞を走りきったダメージさえなければ怖い存在です。

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