阪神JFは2歳戦に強いエピファネイア産駒から、3連勝を狙う「末脚自慢」が推し。対抗馬も含めて「旬の牝系」は要チェック (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 母の父ダイワメジャーは種牡馬として、2015年メジャーエンブレム、2019年レシステンシアと阪神JFの勝ち馬を2頭出している。モリアーナはその2頭が母系に持っているダンチヒを、祖母の父グランドロッジ(父の父がダンチヒ)経由で持っている。さらに、同じく2頭が持つサドラーズウェルズを父エピファネイアの祖母の父に持っているように、過去のダイワメジャー産駒の勝ち馬と共通の血統構成となっているのだ。

 さらに牝系を遡ると5代母は名牝ハイクレアで、ディープインパクトや、今年の欧州の年度代表馬バーイードと同じファミリーになる。ハイクレアは、今年に亡くなった英国のエリザベス女王が所有した馬。バーイードの活躍などもあって「旬の牝系」と言えるだけに、モリアーナの3連勝での戴冠に期待する。

 もう1頭はアロマデローサ(牝2歳、栗東・池添学厩舎)に注目。2歳戦で実績があるキンシャサノキセキ産駒で、今年のGⅠ秋華賞を勝ったスタニングローズとは曽祖母ロゼカラーが共通する「はとこ」になる。

 同牝系には、GⅠ朝日杯フューチュリティSを勝った最優秀2歳牡馬ローズキングダムもいて、キンシャサノキセキと同じく2歳戦の実績がある。また、前述のエピファネイア産駒チャンスザローゼスとは「母のいとこ」という関係で、こちらも「旬の牝系」と断言していい。

 新馬戦(小倉・芝1200m)、ききょうS(中京・芝1400m)と連勝したが、1番人気に推された前走のGⅢファンタジーSは10着。ただ、勝負どころで挟まれたり前をカットされたりした影響でスムーズさに欠けたところもあっただけに、見直してみてもいいだろう。

 以上、今年の阪神ジュベナイルフィリーズはモリアーナ、アロマデローサの2頭に期待する。

【著者プロフィール】

平出 貴昭(ひらいで たかあき)
主に血統分野を得意とする競馬ライター、編集者。(株)サラブレッド血統センター在籍。著書に『覚えておきたい日本の牝系100』『一から始める! サラブレッド血統入門』など。「週刊競馬ブック」で『血統見聞録』を連載するほか、「競馬四季報」などの編集業務にも携わる。そのほか、『優駿』などにも寄稿。twitterアカウント:@tpchiraide

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