マイルCSは人気の盲点となる実力馬に注意。今の阪神の馬場にハマる大外一気で一発を狙う (2ページ目)

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro
  • photo by Sankei Visual

 特に馬群で我慢して、一瞬で抜けてきた競馬には光るものがありました。レコードで勝ったことより、レース内容に進化が見られたことを高く評価したいです。今回はライアン・ムーア騎手に手替わりしますが、2歳時に彼が乗って完勝したGI朝日杯フューチュリティS(阪神・芝1600m)の走りは圧巻だったので、このコンビ復活も大きな魅力です。

 その後、GII富士S(10月22日/東京・芝1600m)では人気の3頭、1着セリフォス(牡3歳)、2着ソウルラッシュ(牡4歳)、3着ダノンスコーピオン(牡3歳)が熾烈な追い比べを披露。時計面も、上がりタイムも及第点がつけられ、そのレースレベルは低くなかったと思います。

 この3頭、斤量面を考えると、力差はほとんどないでしょう。さらに、これらはいずれも阪神・芝1600mの重賞ウイナーで、今回のコース適性も証明済み。勢いや伸びしろに期待するなら、この富士S組の3頭も面白い存在になりますね。

 ここまでに名前を挙げた面々が上位候補になりますが、臨戦過程や順調度を加味しても、それぞれを比較して優劣をつけるのは非常に困難です。そうなると、枠順や通ったコース取りが明暗を分けることになるかもしれません。その辺りを含めて、出走ギリギリまで吟味したいと思っています。

マイルCSでの大駆けが期待されるマテンロウオリオンマイルCSでの大駆けが期待されるマテンロウオリオンこの記事に関連する写真を見る さて、僕がこのレースで穴候補と考えているのは、前哨戦のGIIスワンS(10月29日/阪神・芝1400m)で7着に敗れたマテンロウオリオン(牡3歳)です。

 かつては、スワンSからマイルCSというローテが王道でしたが、近年はあまり主流とはなっていません。そのレースで掲示板にも乗れなかったことで、人気の盲点になりそうです。

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