秋華賞で牝馬三冠に挑むスターズオンアース。ライバル陣営が「つけ入る隙あり」と見ている2つの懸念 (3ページ目)
続くオークスではどうだったのか。専門紙記者が続ける。
「オークスではルメール騎手が騎乗して、大外8枠18番発走から中団の外目をラクに追走。直線に入ってからも外に進路をとって、手応えに余裕があった。それでまた、モタれ癖を出さずに済みました」
モタれ癖は、稽古や馬具を工夫することで矯正されることがある。馬自身の成長によって、次第になくなることもあるという。しかし、ずっと治らないこともあるそうだ。
ではその後、スターズオンアースのモタ癖は解消されたのか?――これこそが、ライバル陣営にとっては大きな「つけ入る隙」となる。おそらくスターズオンアース陣営も、レースから遠ざかっている分、この点については不安を抱えていることだろう。
加えて、今年の秋華賞の舞台は阪神・内回りの芝2000m。カーブがきつく、直線が短い点が特徴だ。
阪神・外回りコースの桜花賞や、広々とした東京コースのオークスに比べると、「気を遣うことが多い」と言える。それだけ、まぎれも出やすい。この難コースを克服することも、課題のひとつになるだろう。
スターズオンアースにとって、課題は山積みである。三冠達成への道のりは、かなり険しいと見る。
だが、多くのファンが「せいぜい脇役」と見て、7番人気の低評価だった桜花賞を快勝した。続くオークスでも主役になれなかった(3番人気)が、横綱相撲で完勝した。
2000年代に入ってから、桜花賞、オークスの二冠を遂げた馬は6頭。このうち、2009年のブエナビスタを除く5頭が三冠を達成している。
すなわち、スターズオンアースの三冠達成の確率は8割強である。心配の種は多いものの、逆境をはね退けて三度、世間の評価を覆してもおかしくない。
注目の秋華賞。スターズオンアースは絶対女王として君臨することができるのか。ゲートインまで、まもなくである。
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