毎日王冠に臨むGI馬4頭にはつけ入る隙あり。期待は上昇ムードにある素質馬2頭の激走

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Sankei Visual

 今週から秋の東京開催がスタート。その開幕を飾るのは伝統の重賞、GII毎日王冠(10月9日/東京・芝1800m)だ。

 1番人気が過去10年で7勝。比較的堅い一戦と言える。特に直近は、1番人気が4年連続で勝利を飾っていて、3連単の配当も3年連続で5000円以下。こうなると、穴党の出番はないように思える。

 しかし、過去10年の結果を振り返ってみれば、以前は30万円超えの高配当が2回も出ており、波乱もしばしば起こっている。伏兵の台頭も頻繁に見られ、メンバー次第では穴党の出番も大いにあり得るレースだ。

 そんな毎日王冠、かつてはGI天皇賞・秋(東京・芝2000m)へ向けての重要なステップレースだったが、最近はレースの位置づけ自体が変わってきているという。日刊スポーツの木南友輔記者が語る。

「各陣営それぞれが、馬に合わせたローテーション&距離適性をいろいろと考えるようになって、ローテーションが多様化。そのため、"毎日王冠=天皇賞・秋の前哨戦"という意識もかなり薄れてきた印象があります」

 木南記者は続けて、今年のメンバー構成について言及。ここ数年とは違って、ひと筋縄とはいかないレースになると見ている。

「ローテーションが多様化するなか、今年も3歳馬の有力どころ、皐月賞馬のジオグリフ、皐月賞&ダービーでともに2着と好走したイクイノックス、そして皐月賞&ダービーでともに4着と奮闘したダノンベルーガらは、天皇賞・秋(10月30日)へ直行します。

 また、今回はサリオス(牡5歳)、ダノンザキッド(牡4歳)、ポタジェ(牡5歳)、レイパパレ(牝5歳)と4頭のGI馬が出走しますが、これらもこのあと天皇賞・秋に行くとは限りません。前走も皆、異なっていますしね。

 ただそういう意味では、序列をつけるのが難しく、(穴党にとっても)面白いレースになると思います」

 実際、人気が予想されるGI馬4頭は、それぞれ一長一短あるタイプ。ポタジェとレイパパレは前走で大敗を喫していて、サリオスとダノンザキッドはともに波があり、勝ち星からも遠ざかっている。つけ入る隙は十分にありそうだ。

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