天皇賞・春は本当に「2強」で決まるのか。過去データから浮上する激走候補にご用心

  • text by Sportiva
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 ゴールデンウィークに入った今週、伝統のGI天皇賞・春(阪神・芝3200m。※例年は京都競馬場で開催)が5月1日に行なわれる。

 過去10年の結果を振り返ってみると、直近5年(2017年~2021年)は1番人気が馬券圏内(3着以内)に入っており、比較的堅いイメージのあるレースだが、それ以前の5年(2012~2016年)は1番人気が馬券圏外に沈んでいて大荒れ。3連単はすべて10万円超えの高配当となっている。

 なかでも、2012年は断然人気のオルフェーヴルが11着と大敗。その一方で、14番人気のビートブラックが大金星を挙げ、2着に3番人気のトーセンジョーダン、3着に2番人気のウインバリアシオンが入って、3連単は145万2520円という高額配当をつけた。

 つまり、天皇賞・春はさすがGI最長距離の過酷な一戦だけあって、波乱含みのレースと言える。しかも、今年の春のGIシリーズはいまだ1番人気の勝利がナシ。とりわけ、関西で行なわれた大阪杯と桜花賞は、いずれも1、2番人気が馬券圏外に飛んでいる。そうした"流れ"も加味すると、阪神競馬場を舞台としたGIで三度、あっと驚くような結果が飛び出してもおかしくない。

 となれば、穴狙いに徹するのも悪くないだろう。そこで、過去10年の結果を検証し、今年のレースで激走を果たしそうな伏兵馬をあぶり出してみたい。なお、京都競馬場は現在改修工事のため、天皇賞・春の舞台は昨年に引き続き阪神競馬場となるが、施工時期や距離に変更がないことから、京都開催の結果もそのまま参考データとしたい。

 まず、過去10年で馬券圏内に入った延べ30頭の戦績を見てみると、2012年の勝ち馬ビートブラック、2014年の3着馬ホッコーブレーヴ、2021年に3着となったカレンブーケドールの3頭以外は皆、芝の重賞勝ちがあった。また、ビートブラックとカレンブーケドールは重賞勝ちこそなかったものの、GIで馬券圏内に入っている実績があり、トップクラスで戦える力を秘めていた。

 そうしたことから、芝の重賞勝ちがあるか、あるいはGIで馬券に絡んだ実績がある馬以外は、ここで好走するのは難しいと見て評価を下げたい。となると、今年のメンバーからは以下の馬たちが激走候補から消える。

 アイアンバローズ(牡5歳)、ヴァルコス(牡5歳)、シルヴァーソニック(牡6歳)、タガノディアマンテ(牡6歳)、トーセンカンビーナ(牡6歳)、ハヤヤッコ(牡6歳)、ハーツイストワール(牡6歳)、ヒートオンビート(牡5歳)、マカオンドール(牡4歳)、メロディーレーン(牝6歳)、ロバートソンキー(牡5歳)の11頭だ。

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