2022.04.09

桜花賞は末脚自慢の「3強」が有力も、乗り替わりがプラスに働く伏兵に一発の可能性

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro
  • photo by Sankei Visual

ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 いよいよ今年もこの季節がやってきました。3歳クラシックの開幕です。4月10日には牝馬クラシック第1弾のGI桜花賞(阪神・芝1600m)が行なわれます。

 令和になってからの桜花賞と言えば、一昨年はデアリングタクトが最年少キャリアで優勝。昨年はソダシが驚異的なレコードをマークし、白毛馬として初のクラシック制覇を成し遂げました。いずれも話題性があって、ドラマチックな結果が続いています。

 はたして、今年はどんなドラマが待っているのか。今から胸が躍ります。

 今年のメンバーを見渡すと、無敗馬は2戦2勝のプレサージュリフト(牝3歳)だけ。例年に比べて飛び抜けた存在がおらず、能力は拮抗している印象があります。乗り方や展開次第では、人気薄の馬にも上位に食い込める余地が十分にあって、波乱度はかなり高いのではないか、と睨んでいます。

 人気上位となるのは、やはり本番と同じ舞台で行なわれた前哨戦、GIIチューリップ賞(3月5日/阪神・芝1600m)組でしょうか。そのうち、同レースでメンバー最速の上がりをマークして、1馬身半突き抜けたナミュール(牝3歳)については一目置かないわけにはいきません。

 昨年末のGI阪神ジュベナイルフィリーズ(12月12日/阪神・芝1600m)でも1番人気に支持されたように、多くのファンがその素質の高さを認めています。

 結局、同レースでは痛恨の出遅れが響いて4着に終わりましたが、僕はスタートさえ五分に決めていれば、違った競馬になっていたと思っています。実質、無敗の4連勝くらいの実力があると見ています。

 この馬の最大の武器は、何と言っても終(しま)いの爆発力。デビューから4戦すべてで上がり33秒台をマークしていることが、並みの馬ではないことを物語っています。

 この馬に僕が騎乗するとしたら、道中は中団の外目でリズムよく脚をタメて、直線はそのまま外を回す形が理想。末脚の破壊力は疑いないので、とにかく"いかに追い出しまでの態勢をスムーズに作れるか"がポイントだと思います。

 鞍上の横山武史騎手が初騎乗だった前走後に「直線も決してスムーズではなく、僕的には悔いが残るレース」と語っていましたが、「悔い」というのはその辺りのこと、つまり道中から直線を向くまでの進路取りのことを差しているのかな、と思いました。

 何にしても、混戦メンバーのなかにあって、この馬がややリードしていることは間違いないでしょう。