堅い決着が多いチューリップ賞だが、今の馬場なら浮上が見込めるヒモ穴馬が2頭いる

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Sankei Visual

 今週末は3歳クラシックのステップレースが東西で行なわれる。関西ではGI桜花賞(4月10日/阪神・芝1600m)の前哨戦、GIIチューリップ賞(3月5日/阪神・芝1600m)が行なわれる。

 過去10年の結果を振り返ってみると、1番人気が5勝、2着1回、3着2回と安定した成績を残しており、牝馬のレースとしては非常に堅い一戦と言える。

 そして今年も、昨年末のGI阪神ジュベナイルフィリーズ(12月12日/阪神・芝1600m)を制したサークルオブライフ(牝3歳)、3着ウォーターナビレラ(牝3歳)、4着ナミュール(牝3歳)が参戦。これらが人気の中心になると目されて、再び手堅い決着に収まりそうなムードにある。実際、デイリー馬三郎の吉田順一記者もこう語る。

「最近の桜花賞は阪神JFをはじめ、シンザン記念やフェアリーSなどからぶっつけ本番で挑む馬が活躍してきましたが、今年は有力各馬が軒並みチューリップ賞から始動。本番に直結するハイレベルな一戦になりそうです」

 そのうえで、吉田記者はチューリップ賞における阪神JF組の強さを強調する。

「チューリップ賞の過去10年の連対馬20頭中10頭が、阪神JF組。2着馬には前走で新馬や未勝利を勝ち上がったばかりの馬が2頭いますが、勝ち馬は前走の阪神JFで4着以内か、前走で1勝クラス、あるいはオープン特別を勝ってきた馬に限ります。その点を踏まえれば、やはり中心に据えるのは阪神JF組でしょう」

 そうなると、軸とすべきは阪神JFを快勝し1番人気が濃厚なサークルオブライフとなるのか。もはや、穴党の出番はないと見ていいのだろうか。すると、吉田記者はこの考え方については「いえ」と言って否定する。

「1週前のフォトパドックや攻め気配、今のスピード+先行力が優位に働く舞台を鑑みれば、ウォーターナビレラから入るのが面白そうです。そこから、妙味のあるヒモ穴に流せば、それなりの配当が期待できるのではないでしょうか」

 そうして、吉田記者は妙味のある穴馬候補として、シークルーズ(牝3歳)の名前を挙げた。

「小柄なモーリス産駒で、関東遠征後の中3週での出走となりますが、1週前にCWで3頭併せを敢行。終始素軽い脚取りで、状態は変わらずに良好です。

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