弥生賞は血統から「中山・芝2000m」の適性を見る。サウジカップ開催で2勝した旬の血統にも期待

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 3月6日、中山競馬場で3歳馬によるGⅡ弥生賞ディープインパクト記念(芝2000m)が行なわれる。

 このレースは4月17日に開催されるGI皐月賞(中山・芝2000m)のトライアルレースで、3着までに皐月賞の優先出走権が与えられる。昨年の勝ち馬タイトルホルダーは皐月賞で2着に入り、秋にはGⅠ菊花賞を勝利。2着のシュネルマイスターはGⅠNHKマイルCを勝った。

 さらに、2018年2着のワグネリアン、2016年の勝ち馬マカヒキはGⅠ日本ダービーを勝ったように、春のGⅠに繋がるレースとなっている。今回はこのレースを血統的視点から占っていこう。

 筆者が本命に推したいのはラーグルフ(牡3歳/美浦・宗像義忠厩舎)。

この記事に関連する写真を見る 同馬は昨年7月、新潟・芝1800m戦でデビュー。単勝103倍の12番人気で9着という結果に終わったが、同じコースで行なわれた2戦目で勝ち上がり。続く芙蓉S(中山・芝2000m)も勝利し、GⅠホープフルS(中山・芝2000m)は3着。今回はそれ以来約2カ月ぶりの実戦となる。

 父モーリスは現役時代、GⅠ天皇賞・秋、GⅠ香港Cなど芝1600~2000mのGⅠを6勝。産駒は2世代が出走し、JRA重賞勝ち馬はGⅠスプリンターズSのピクシーナイトなど、3頭すべてが1600m以下。だが、中山・芝2000mの成績も悪くなく、これまで34戦5勝で勝率14.7%、連対率29.7%という数字を残している。重賞では昨年のGⅢ京成杯でテンバガーが6番人気で3着に入った。ラーグルフ自身も2戦1勝、3着1回という成績でコース適性は証明済みだ。

 さらにラーグルフの牝系を見ると、3代母の半弟にGⅠ皐月賞を勝ったノーリーズン、近親にGⅠ日本ダービー馬ワンアンドオンリーがいるというクラシック血統。ブライアンズタイム産駒のノーリーズンとは父系のロベルト系が共通しており、昨年の皐月賞、GⅠ有馬記念、GⅠ天皇賞・秋を勝って年度代表馬に輝いたエフフォーリアの父エピファネイアも、遡ればロベルト系だ。

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