スワーヴリチャードの妹、ルナソルは有力馬そろう国枝厩舎でも期待される逸材

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Yasuo Ito/AFLO

厳選!2歳馬情報局(2021年版)
第28回:ルナソル

 今年もはや12月。6月から始まった2歳戦においてもGIが開催される。来年のクラシックを占う意味でも大きな注目を集めるだろうが、これからデビューを迎える2歳馬のなかにも、まだ期待の逸材が控えている。

 美浦トレセンの国枝栄厩舎に所属するルナソル(牝2歳/父ロードカナロア)も、その1頭である。

GI2勝を挙げているルナソルの兄、スワーヴリチャードGI2勝を挙げているルナソルの兄、スワーヴリチャードこの記事に関連する写真を見る ルナソルが脚光を浴びるのは、輝かしい実績を残している兄がいるからだ。2014年生まれのスワーヴリチャード(牡/父ハーツクライ)である。

 同馬は2016年にデビューし、2歳秋のGIII東京スポーツ杯2歳S(東京・芝1800m)で2着と奮闘。その後、3歳になってGIII共同通信杯(東京・芝1800m)を制覇し、クラシックの有力候補の1頭に挙げられた。

 しかし、本番のクラシックではGI皐月賞(中山・芝2000m)が6着。GI日本ダービー(東京・芝2400m)でも惜しくも2着に終わって、戴冠を遂げることはできなかった。

 それでも、秋には古馬相手にGIIアルゼンチン共和国杯(東京・芝2500m)を快勝し、明け4歳初戦のGII金鯱賞(中京・芝2000m)を勝利。続くGI大阪杯(阪神・芝2000m)で、ついにGIタイトルを手にした。向こう正面からまくり気味に仕掛けていっての、豪快な勝ちっぷりだった。

 以降、GI戦線では善戦止まりが続いたものの、5歳秋のGIジャパンC(東京・芝2400m)で2度目のGI制覇。道中は先行集団の後方内側に構え、直線に入ってからは重馬場で伸びあぐねるライバルたちを尻目に、最内から鋭く伸びて鮮やかな勝利を飾った。

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