ウマ娘でも描かれるライバル関係。オグリキャップVSバンブーメモリーなどマイルCSで生まれた数々の名勝負
かつての名馬をモデルにしたスマホゲーム「ウマ娘 プリティダービー」。このコンテンツの魅力となっているのが、キャラクター同士のライバル関係だ。競馬の世界では時代ごとさまざまなライバル物語が生まれており、ウマ娘の世界にも引き継がれている。
ほぼ同時にゴールをしたオグリキャップ(奥)とバンブーメモリー(手前)この記事に関連する写真を見る そんなライバルたちの名勝負がたびたび繰り広げられてきたレースがある。毎年11月に行なわれる、GⅠマイルCS(京都・芝1600m※今年は阪神開催)だ。競馬の世界では"短距離"に位置づけられる、1マイルの王者を決める戦い。この舞台は、一騎打ちの宝庫とも言える。
代表的なのは1989年。オグリキャップVSバンブーメモリーの一騎打ちだろう。
オグリキャップといえば、絶大な人気で社会現象を巻き起こした「アイドルホース」。地方競馬から中央競馬に移籍し、破竹の快進撃ですぐさまファンの心をつかんだ。2000〜2500mの中距離戦に出ることが多かったが、本来はマイルが適距離という見方もあり、この舞台では単勝オッズ1.3倍の断然1番人気。「負けられない一戦」だった。
そこに真っ向から挑んだのがバンブーメモリーである。オグリキャップとは同期ながら、こちらは遅咲き。ライバルが連勝街道を歩み、ブームを巻き起こした4歳時(現3歳、以下旧表記で統一)は、まだ条件馬だった。
素質が開花したのは5歳となったこの年、1989年。春のマイル王を決めるGⅠ安田記念(東京・芝1600m)を10番人気で制覇。その後も安定した成績を残し、秋も前哨戦を快勝していた。まさにマイル王の地位を固めつつあったタイミングで、オグリキャップとぶつかることになったのである。
そんな2頭の関係はウマ娘でも描かれており、ウマ娘のバンブーメモリーは、オグリキャップを宿敵としてライバル心を燃やしている。これほど闘志をむき出しにするのも、マイルCSの激突がいまだに語り継がれる名勝負になったからだ。
ゲートが開くと、オグリキャップは先行5番手をキープ。バンブーメモリーはその後ろにつけた。大本命に推されたオグリは少し反応が悪いのか、手綱を取る南井克巳の手はしきりに動いていた。
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