今年の秋華賞は「忘れな草賞」の成績に注目。血統も十分な2頭に激走の気配

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 10月17日、阪神競馬場でGⅠ秋華賞(芝2000m)が行なわれる。

 このレースは通常は京都で行なわれるが、京都競馬場改修の影響もあり、今年は26回目にして初の阪神開催。ちなみに、トライアルのGⅡローズSは通常、阪神の芝1800mで開催されるが、今年は中京の芝2000m。距離は変わらないが、左回りの中京から右回りの阪神に替わるので、トライアルもちょっと参考にしにくいと言える。特殊な年となる今回は「阪神/芝2000mとの相性」を最重要ポイントに検討してみたい。

 3歳牝馬の阪神/芝2000m戦といえば、春にリステッドの「忘れな草賞」という重要な一戦がある。このレースの勝ち馬は1994年のチョウカイキャロルなど、過去5頭がGⅠオークス(東京/芝2400m)を勝利。そのうち2015年のミッキークイーンは秋華賞も勝利している。

 その他、2008年の勝ち馬ムードインディゴは秋華賞8番人気で2着、2009年2着のブロードストリートは秋華賞3番人気で2着だった。阪神と京都でも関連性があるので、同じ阪神の今年は特に注目すべきだろう。

 今年の忘れな草賞を勝ったのはステラリア(牝3歳/栗東・斉藤崇史厩舎)だった。

4月の忘れな草賞を勝ったステラリア4月の忘れな草賞を勝ったステラリアこの記事に関連する写真を見る 中団からレースを進め、ゴール前鋭く伸びて鮮やかに差し切り。勝ちタイムは、なんとレースレコードを2秒も更新する1分58秒0。このタイムは直近2年の阪神/芝2000mでもっとも速く、良馬場だった昨年のGⅠ大阪杯でラッキーライラックが記録した1分58秒4をも上回る。馬場状態や展開の違いがあるとはいえ、極めて優秀なタイムだ。阪神で行なわれる秋華賞で、これほどのコース実績があるこの馬を狙わない手はない。

 ステラリアは忘れな草賞のあとに出走したオークスで13着と大敗。大外枠から積極的に好位置を取りにいったが、オークスとしては速めのペースに巻き込まれてスタミナを失った、という内容だった。京都/芝1800mの未勝利戦では5馬身差の圧勝を見せているように、右回りの芝1800~2000mがベスト条件だ。

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