2021.08.21

札幌記念はトップ牝馬の激突に注目も、牡馬「堅実派」が魅力的

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 さあ、GII札幌記念(8月22日/札幌・芝2000m)ですね。

 夏競馬唯一のGIIであり、この時期一番のビッグレースと言っても過言ではありません。近年はなかなか頭数がそろわない点が残念ではありますが、過去の勝ち馬を見てもそうそうたる面々が名を連ねています。

 3歳馬の実績馬が初めて古馬と対戦したり、ここをステップに海外へ向かう馬もいたり、レース後の動向を踏まえても、影響力の大きな一戦と言えるのではないでしょうか。

 ところで今年は? と言うと、13頭が出走予定。3歳馬が1頭、4歳馬が2頭と、ややフレッシュ感に欠ける印象があるものの、好メンバーが集結しました。

 上位人気が予想されるのは、海外を転戦して好走を繰り返してきたラヴズオンリーユー(牝5歳)と、桜花賞馬のソダシ(牝3歳)。さらに、前走で重賞初制覇を決めたウインキートス(牝4歳)、洋芝巧者のサトノセシル(牝5歳)ら、牝馬勢に有力馬がそろっています。昨今の競馬界の流れを象徴するように、"牝馬vs牡馬"という性別による対立構図を超えた争いが見どころとなりそうです。

 なかでも、注目はラヴズオンリーユーです。今年に入って、3戦2勝、3着1回。2走前の海外GIドバイシーマクラシック(3月27日/UAE・芝2410m)では、自らがぶつける形で相手に不利を与えてしまいましたが、2着クロノジェネシスに迫って、勝ち馬とも差のないレースを見せました。

 勝ち馬ミシュリフ(イギリス)はその後も欧州のGI戦線で安定して結果を残していますし、ラヴズオンリーユー自身、続く前走の海外GIクイーンエリザベスII世C(4月25日/香港・芝2000m)を制覇。完全復活をアピールし、さらなる躍進が期待されます。

 どうやら、一時より出来を持ち直したことが復調の要因だとか。ジョッキーの進言で3走前からハミを替えたこともプラスに働いているようです。海外の2戦においても、少頭数による淡々とした流れのなか、ジョッキーの思いのままに我慢が利いて、動くべき時に動けているように感じました。

 これまではどちらかと言えば、広いコースでの成績がよかった印象がありますが、スタートしてすぐにコーナーを迎える香港のコースにも対応できました。1コーナーまで距離のある札幌・芝2000mならば、なおさら問題はないでしょう。

 ジョッキーの心理としても、札幌や中山のように1コーナーまで距離があるのは競馬がしやすいもの。あれこれ考えず、運べるのではないでしょうか。

 この秋は、アメリカ、香港と再び海外へ向かうとのこと。再度海外で好結果を得るためにも、ここも勝って弾みをつけたいところでしょう。