種牡馬の「ポスト・ディープインパクト」候補は? 関係者5人に聞いたベスト3

  • 土屋真光●取材・文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by(c)Japan Racing Horse Association

 7月12日、13日の2日間、北海道苫小牧市のノーザンホースパークで競走馬のセリ市『セレクトセール2021』が行なわれた。

今年のセレクトセールで2億円の高値で落札されたディープインパクト産駒の最終世代、スイープトウショウの2020今年のセレクトセールで2億円の高値で落札されたディープインパクト産駒の最終世代、スイープトウショウの2020この記事に関連する写真を見る ディープインパクト産駒のラストクロップが上場された1日目の1歳馬セッションでは、28頭の1億円超えホースが誕生。116億円超えの売上を記録した。続く2日目の当歳馬セッションでも、24頭が1億円超え。109億円余りを売り上げ、2日間を通じて過去最高という活況を示した。

 とりわけ2日目は、初年度にデアリングタクト、2年目にエフフォーリアと2年連続でクラシック馬を出しているエピファネイアや、今回ファーストクロップが登場したレイデオロなど、"ポスト・ディープインパクト"が期待される種牡馬の産駒に注目が集まった。

 しかし今はまだ、偉大なる種牡馬ディープインパクトに続く、確固たる存在はいない。ハーツクライの種牡馬引退も発表され、これからの種牡馬界は群雄割拠の時代に突入していく。

 そうした状況にあって、調教師をはじめ、関係者たちはどの種牡馬に期待をかけているのか。セールの合間に対応してくれた方々に"ポスト・ディープ"と言うべき、期待の種牡馬ベスト3を挙げてもらった。

◆藤原英昭調教師(JRA/栗東トレセン)
1位=シルバーステート
2位=なし
3位=なし

「今は、シルバーステートしか思いつかないかな。現役時代にうちの厩舎で管理させてもらったけど、今までで『一番の馬』だと思っている。実際、産駒にはそれが受け継がれていて、今年の2歳でも今のところ(※7月19日現在)、勝ち上がっている頭数が一番多い(4頭)のは、ドレフォンとシルバーステート(の産駒)。

 しかも、本来適距離とは言えない短距離で勝っていて、仕上がりも決して早いタイプではないのに結果が出ている。ということは、それだけ(産駒の)能力が高い、ということの表れ。

 これから距離が延びてくれば、自身が短距離で結果を出してきたドレフォン(の産駒)と比べても、プラスなのはシルバーステート(の産駒)。もちろん、それだけの素質をしっかりと結果に結びつけるのは、我々の仕事。だから、期待半分、責任感半分だね」

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