種牡馬の「ポスト・ディープインパクト」候補は? 関係者5人に聞いたベスト3 (3ページ目)

  • 土屋真光●取材・文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by(c)Japan Racing Horse Association

◆在関東の馬主エージェント
1位=フィエールマン
2位=キズナ
3位=サートゥルナーリア

「フィエールマンは、3つのGI勝ちが菊花賞と天皇賞・春でステイヤーと思われがちですが、昨年の天皇賞・秋でも鋭い脚を見せたように、明らかに中距離の瞬発力タイプ。距離は能力の高さでこなしていました。この能力がしっかりと受け継がれれば、ディープインパクトの後継種牡馬ナンバー1になれるはずです。

 キズナは日高の繁殖牝馬との配合がほとんど。有力牝馬と交配しているほぼ同期のエピファネイア、モーリス、ドゥラメンテと比べて"外様"とも言える立場ながら、コンスタントに活躍馬を出しています。超大物はまだいませんが、"ハズレ"も多くなく、計算が立つ種牡馬です。

 サートゥルナーリアは自身の牝系が優秀で、見るからに潜在能力が高そう。またエピファネイアと比較しても、父がキングカメハメハ産駒のロードカナロアで、サイアーラインが広がりそうな印象です」


◆競走馬のクラブ法人スタッフ
1位=エピファネイア
2位=キズナ
3位=サトノダイヤモンド

「エピファネイアはもう3世代がデビューしていて、デアリングタクト、エフフォーリアといった大物も出て、結果を出しています。個人的には、その父であるシンボリクリスエスに似たイメージもあって、(産駒が)芝でこれだけ結果を出していますが、実はダートでもいける"つぶしの利く"タイプではないかと思っています。ダートでの活躍馬が増えれば、よりリーディングは意識できると思います。

 キズナは現状、ディープインパクトの直仔の中で最も結果を出しています。しかも(同産駒は)馬格があり、重い馬場もこなします。これからノーザンファームの繁殖牝馬との配合も増えて、さらにいい産駒も出てきそうです。

 サトノダイヤモンドは総じて産駒の出来がいいですね。クラシックディスタンス向きで期待しています」

 全体的に評価が高かったのは、キズナ。セレクトセールでも当歳馬セッションで、半兄にヴェロックスを持つセルキスの2021が、2日間を通して最高額となる4億1000万円で落札された。

 はたして、種牡馬界の次なる覇権を握るのは、ディープインパクトの血か、それとも別の血を引く存在か、その動向に注目したい。

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