スタミナ勝負に拍車。今年の天皇賞・春は穴党記者確信の4頭におまかせ (3ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 一方、太田記者はディアスティマ(牡4歳)に注目する。

「新装後、阪神・芝3200mで唯一行なわれた前走の3勝クラス・松籟S(2月27日/阪神・芝3200m)の勝ち馬。1周目=外回り→2周目=内回りという特殊なコースを経験した"地の利"があります。

 3勝クラスのレースとはいえ、3馬身差の圧勝。とりわけ、刻んだラップが秀逸でした。最初の1000mを59秒4という速いタイムで入って、続く1000m~2000mでは63秒7と緩めたものの、2000m~3000mで再び59秒2という速い時計をマーク。よどみないラップを刻んで、後続のスタミナを奪いました。まさに典型的なステイヤーの勝ちっぷりでした。

 同馬を管理する高野友和調教師も、『見た目は、3200mは持たないんじゃないか、というくらいムキムキですけど、外見と内面が違って、いい心臓を持っている。性格もパニックにならず、走れる。前走のラップを分析して"天皇賞へ行きましょう!"となった』と、十分な手応えを抱いています。GI大阪杯を逃げ切った僚馬レイパパレの再現もあり得るでしょう」

 太田記者ももう1頭、気になる馬がいるという。

オーソリティ(牡4歳)です。前走のGIIIダイヤモンドS(2月20日/東京・芝3400m)では1番人気に推されながら2着。その結果、思っていたよりも人気を落とした印象で、人気の盲点と言えるかもしれません。

 前走は、鞍上の川田将雅騎手がなだめて我慢させ、直線半ばで先頭に立つ勝ちパターンでしたが、結果的に抜け出すのが早すぎたことで、勝ち馬の目標にされてしまいました。決して、距離が敗因ではありません。むしろ、適性を示したパフォーマンスだったと言えます。

 成績的には左回りがベターといった印象がありますが、右回りでも2勝を挙げています。そして、長距離戦でモノを言うのが、鞍上の手綱さばき。今年、GI2勝を含めて重賞9勝と、相変わらず大舞台に強い川田騎手の存在も、大きなプラス材料となるでしょう」

 確たる主役不在で波乱必至の伝統の一戦。ここに挙げた4頭が、アッと驚くような高配当をもたらしてくれるかもしれない。

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