ソダシの可能性は無限大。白毛馬初のクラシック馬が克服した3つの課題

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Kyodo News

「(白毛馬という)話題だけで、『本当に強いのか?』って見られていましたからね。見返してやろう、と思っていました」

 GI桜花賞の勝利ジョッキーインタビューで、勝ったソダシの主戦・吉田隼人騎手は、高揚する気持ちを抑えるかのようにそう語った。

白毛馬として初めてクラシックを制したソダシ白毛馬として初めてクラシックを制したソダシ デビューから4戦4勝。GIを勝っても、「本当に強いのか?」という白毛馬に対する不安は、やはりファンの間には根強くあったのである。

 前日まで1番人気だったのが、レース直前にサトノレイナスと入れ替わって2番人気になった。それも、そうした不安が少なからず影響したのかもしれない。

 それだけに、ソダシが真っ先にゴールを駆け抜けた瞬間、吉田騎手はもちろん、ソダシを信じて、ソダシの馬券を買っていたファンは、通常の的中とはひと味違う、爽快な気分を味わったに違いない。

 大きく言えば、ソダシの勝利によって、競馬の歴史は塗り替えられた。

 白毛だって、走る馬は走る。今まで「走らない」とされていたのは、それほど強い馬が出ていなかっただけ。ソダシが桜花賞を勝ったことの意味は、それが"競馬の新常識になる"ということだ。

 レースを振り返れば、陣営の期待どおり、思い描いていたとおりのレースだったと言える。だが、ソダシにとって、桜花賞を勝つためのハードルは、決して易々と越えられるようなものではなかった。

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