関屋記念は戦歴が真逆の4歳馬2頭に注目。激走を予感させる好材料が揃う (2ページ目)

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro

 以前は、対象レースが3つしかなかったこと、そしてサマーシリーズよりも秋のマイルGIを目標とする馬が対象レースに1戦だけ臨んで勝つことが多かったため、サマーマイルシリーズでは規定ポイントに届く馬が1頭もおらず、シリーズチャンピオンの「該当馬なし」という年が頻繁に見られました。しかし、対象レースが増えた今年は、シリーズ優勝へ向けての争いが白熱し、面白い戦いが見られそうです。

 とはいったものの、今年の関屋記念で個人的に最も注目しているのは、クリノガウディー(牡4歳)。サマーマイルシリーズのタイトルにはあまり関心がなさそうな馬なんです。前走のGIII CBC賞(7月5日/阪神・芝1200m)では、1番人気を大きく裏切ってしまいましたが、今度こそ、があるのではないかと思っています。

 いまだに勝ち星は、新馬戦の1勝だけ、というクリノガウディーですが、今年のGI高松宮記念(3月29日/中京・芝1200m)では1位入線を果たしています。進路妨害によって、4着に降着となってしまいましたが、その激走が脳裏に残っている方も多いのではないでしょうか。

 仕切り直しの一戦に選んだのは、サマースプリントシリーズのCBC賞。実質的には勝っていた高松宮記念の結果を踏まえて、スプリント適性の高さを陣営も信じたのでしょうが、結果は12着の惨敗に終わりました。

 1勝馬にもかかわらず、高松宮記念を勝ったと見なされて、最も重いハンデ58kgを背負わされたことも可哀相でしたし、2度目のスプリント戦という経験が浅いなか、ラブカンプーの暴走気味のハイペースに付き合わされたことも不運でした。ただ、クリノガウディーという馬は、注目される立場になるとさっぱり。これまでも上位人気になった時は、ことごとく馬群に沈んできました。

 思えば、新馬戦でも良血馬がそろっていたレースで、クリノガウディーは人気の盲点になっていました。以降、好走したレースは、大敗後の人気が急落したタイミングがほとんどでした。

 高松宮記念の時もそうでしたが、クリノガウディーが好走する時は、他馬からのマークが薄く、有力馬に出し抜けを食らわすような形で、気づいたら抜け出していた、というパターン。自分でレースの流れを作って、他馬の仕掛けを受けて立つ、という形は向いていないように思います。

 また、昨年の夏以降は、右回りで凡走し、左回りに替わって巻き返し、という結果を繰り返しています。今回は、まさに右回りで人気を裏切ったあとの、左回りの舞台。いかにも、という感じがします。

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