宝塚記念は地味な実力馬に要注意。人気馬に圧勝の再現をマジで狙う

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro

ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 上半期の総決算となるGI宝塚記念(阪神・芝2200m)が6月28日に行なわれる。

 この春は、競馬界にとっても大きな試練となりました。今年最初のGIフェブラリーSこそ、大勢の観衆の前でレースを行なうことができましたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響によって、その翌週から無観客での開催となり、結局、この宝塚記念の週まで、競馬場に観客の方々が戻ってくることは叶いませんでした。

 しかしながら、ほかのスポーツやイベントが中止、延期に追い込まれるなか、大事なGIレースを含めて、春競馬は中止になることなく、スケジュールどおりに開催されてきました。そして、その締めくくりとなる宝塚記念も、無観客とはいえ、無事に行なわれることをうれしく思います。

 今年の春は、クラシックで2頭の無敗の二冠馬が誕生するなど、多くの競馬ファンや関係者が感動し、そうした方々に勇気を与えるようなレースがたくさんありました。その意味では、春競馬の集大成となる宝塚記念も、競馬場に来られないファンのみなさんを元気づけるような"名勝負"が繰り広げられることを期待したいと思います。

 さて、今年は久しぶりにフルゲート18頭立てでレースが行なわれることになりました。ここ最近は、この時期の暑さや馬場状態の悪さを嫌って、一流馬の参戦が減少。少頭数で開催される年が何度となくありました。しかし今年は、出走頭数だけでなく、8頭ものGI馬が顔をそろえて、レベルの高いメンバー構成になったと言えます。

 まず目につくのは、GI大阪杯(4月5日/阪神・芝2000m)でワンツーを決めた牝馬2頭、1着ラッキーライラック(牝5歳)と2着クロノジェネシス(牝4歳)です。ともに、そのまま宝塚記念へと駒を進め、再びワンツーフィニッシュとなれば、前例のない快挙と言えますね。

 ラッキーライラックは、3歳牝馬クラシックのGI桜花賞(阪神・芝1600m)でアーモンドアイに完敗して以降、しばらく脇役に甘んじていました。ところが、昨年のGIエリザベス女王杯(京都・芝2200m)で復活のGI制覇を遂げると、その後のレースはすべて連対をキープ。大阪杯では、ついに牡馬混合のGIタイトルを手にしました。

 デビュー時から主戦を務めてきた石橋脩騎手が悪いわけではありませんが、この馬はクリストフ・スミヨン騎手に乗り替わって、"勝てる馬"に生まれ変わった印象があります。

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