宝塚記念は地味な実力馬に要注意。人気馬に圧勝の再現をマジで狙う (2ページ目)

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro

 以前は、ソツなく立ち回れて、大崩れしない一方で、後続のいい目標にされたり、決め手比べで見劣ったりと、いかにも善戦止まりというタイプでした。それが、スミヨン騎手が騎乗してから、勝負どころまでしっかりと脚をタメて、直線でその脚を爆発させる乗り方をするようになって、新たな姿を見せることができました。

 今春の2戦はミルコ・デムーロ騎手が手綱を取っていますが、変わらずに直線の脚比べで勝負できていますし、今回も距離やコースといった条件も合っています。大阪杯からの連勝を期待できるのではないでしょうか。

 片や、クロノジェネシスは、昨秋のエリザベス女王杯と前走の大阪杯でラッキーライラックに先着を許しています。それでも、ラッキーライラックがいなかったGI秋華賞(京都・芝2000m)とGII京都記念(2月16日/京都・芝2200m)では、2馬身差、2馬身半差でいずれも快勝しています。

 秋華賞はやや重、京都記念は重馬場だったので、時計がかかる馬場のほうが向いているのでしょう。そうなると、阪神開催最終週の荒れ馬場も苦にしないと思いますし、梅雨の今、当日に雨が降ってさらに馬場が悪くなれば、3度目の対戦でラッキーライラックを逆転する可能性も出てくるかもしれません。

 牡馬では、昨春のGI皐月賞(中山・芝2000m)以来となるGI戴冠を狙うサートゥルナーリア(牡4歳)が最有力と考えていいのではないでしょうか。というのも、前走のGII金鯱賞(3月15日/中京・芝2000m)を圧勝。勝って当然の相手関係だったとはいえ、4歳となった初戦で、しっかりとした成長を見せましたし、満足のいく勝ちっぷりだったと思うからです。

 過去に崩れたGI日本ダービー(4着。東京・芝2400m)とGI天皇賞・秋(6着。東京・芝2000m)は、どちらも前走からの間隔が詰まっており、なおかつ、レース前に急にイレ込んでしまったことが、敗因と言われています。前走、中京競馬場が舞台の金鯱賞を完勝し、不安視されていた左回りは難なくこなしましたからね。

 とすれば、今回は春2戦目と、今どきの一流馬らしい余裕のあるローテーション。阪神競馬場では、昨秋のGII神戸新聞杯(芝2400m)を楽勝した実績もありますし、これまでの内容から、小回りや荒れ馬場もマイナスになることはなく、大いにチャンスがあります。

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