高松宮記念は能力ある「3強」が中心。
一角崩しなら勢いある4歳牝馬
ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」
新型コロナウイルスの感染が世界的な広がりを見せるなか、今週は東京五輪の延期が発表されるなど、世界中のあらゆるところで大きな影響が出ています。
そうした状況にあって、JRAも無観客での開催を実施。その期間もまもなく1カ月が経過しようとしていますが、他のスポーツや世界の現状を鑑みれば、無事に開催を続けられているだけでも、恵まれているように思います。
そして、春のGIシリーズが本格的にスタート。その幕開けを告げるのは、GI高松宮記念(3月29日/中京・芝1200m)です。世の中の重い空気を少しでも吹き飛ばすような、熾烈かつ白熱の"電撃戦"が見られることを期待したいです。
さて、新型コロナウイルスの問題にわざわざ触れたのは、今年の高松宮記念は、同ウイルスの感染拡大の影響を大きく受けているからです。なにしろ、高松宮記念は例年、ドバイワールドカップデーと日程が重なることが多かったのですが、なんと今年はそのドバイワールドカップデーが中止。これによって、さまざまな問題が発生したり、いろいろな物事が突然変わったりしたのです。
まず、高松宮記念の前年覇者であるミスターメロディや、昨秋のGIII京阪杯(京都・芝1200m)で重賞初制覇を遂げたライトオンキューは、ドバイのスプリント戦に出走するため、今回の高松宮記念をパスしたのですが、レースを使うことなく、そのまま現地で足止め、という憂き目にあってしまいました。
また、すでにドバイ入りしていたクリストフ・ルメール騎手と古川吉洋騎手も、日本には帰国したものの、経過観察のため、14日間の自宅待機に。騎乗できるまでには、もうしばらく時間がかかりそうです。
一方で、本来であれば、今週はドバイに遠征して不在の予定だった武豊騎手、福永祐一騎手、川田将雅騎手らは、渡航することなく、急きょ高松宮記念での騎乗が決定。アイラブテーラー(牝4歳)に武豊騎手、ダノンスマッシュ(牡5歳)には川田騎手が騎乗し、"元の鞘に収まる"形となりました。
ともにチャンスホースだっただけに、代打騎乗の予定だった和田竜二騎手や三浦皇成騎手にとっては気の毒な話ですが、乗り慣れている鞍上のほうがいい、というのは確かだと思います。
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