高松宮記念は能力ある「3強」が中心。
一角崩しなら勢いある4歳牝馬 (3ページ目)
経験上、マイル戦や1400m戦と、スプリント戦というのは、1ハロン、2ハロンという単なる距離の違い以上に、レースの流れそのものが変わってきます。そのため、いくら強い馬でも、いきなりスプリント戦で結果を出すのは難しいものです。それこそ、タワーオブロンドンも、スプリント戦の流れに慣れるまで、何戦かを要しました。
しかし、グランアレグリアの場合は、前走のGII阪神C(1着。12月21日/阪神・芝1400m)を見て、「これなら、スプリント戦でも一発で対応できるのではないか」という期待を持ちました。
GI桜花賞(阪神・芝1600m)や阪神Cの勝ちっぷりどおり、ここまでは圧倒的なスピード能力の違いで結果を出してきた同馬。ツメの不調で立ち消えにはなりましたが、昨秋の始動戦にスプリンターズSを予定していたのも納得できます。
さらに今回、中京コースが舞台であることも、プラスに働きそう。同じスプリント戦でも、初挑戦の舞台がトリッキーで、流れも難しくなる中山コースだったら、不安のほうが大きかったと思いますからね。
しかし、オーソドックスな形態で広々とした中京コースなら、ゆったりと運ぶことができます。揉まれたり、流れに戸惑ったりして能力不発――となる可能性は、低くなるのではないでしょうか。
グランアレグリアもルメール騎手のお手馬の1頭で、今回は池添謙一騎手の代打騎乗が決まっていました。そして、他の有力馬と違って、池添騎手がそのまま鞍上を務めます。1週前の追い切りにも、池添騎手が美浦トレセンまで来て騎乗。ここまでプランどおりに、順調にいっていることも、強みになるのではないでしょうか。
まともに走れば、グランアレグリア、タワーオブロンドン、ダノンスマッシュの3頭が、地力上位と考えています。もし一角崩しがあるとすれば、極端な展開になった時、それを味方にできる馬ではないでしょうか。
そこで、今回の「ヒモ穴馬」には、前走のGIIIシルクロードS(2月2日/京都・芝1200m)での決め手に見どころがあった、アウィルアウェイ(牝4歳)を取り上げたいと思います。
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